#17 徳を積もうぜ!
《前回までのあらすじ》
・びっくりだな!
「仕切り直しだ安藤……お前は俺がここで潰す!」
「かかってこいよ!」
再び対峙する二人!
「どうなるんでしょう」
「見ものだな」
「私帰るわね」
サタンは帰った。
「あの日の屈辱を!今ここにぶつける!」
安藤の手が真っ黒に染まっていく!
「どういうことだ⁈」
「まさか安藤さん、部分的な神秘圧縮を!」
そして両手を前に突き出す!するとそこにエネルギーのようなものが溜まっていく!そしてそれは圧縮され、小さな球のようになった———!
「鋼鉄の生き
安藤の手から、細いビーム状のものが発射された!細いということは、高圧をかけられているということである———受ければおそらく貫通するであろう。
一体西宮はどうするのか⁈
「———消費だ」
すると西宮の背後に謎のカウンターのようなものが現れる!鳥をかたどったものの開かれた口の中に、カウンターのようなものがある。数字は4500。これは何を意味するのか⁈
すると近くの道路が西宮の前で剥がれるような形になった!だいぶ分厚い!安藤の放ったビームはそれに防がれた!
「嬉しいぜ、とっとと見せてくれてよ」
「割とやばかった」
「マジ?」
「だからなんでそういう会話になる」
カウンターの数字が4400になった!
「何を使ったらそんなことができるってんだ」
「言わなきゃだめなのか」
「なるほど!言わなくてもわかることだな!」
「割と答え出すの早いな」
「だからなんでそう緩いんだよ」
「ひとまずこれでも食らえ!」
すると西宮の背後から無数のコインが飛んでいく!
安藤はどうすればいいのか!
「刹那緋色地獄!」
無数の安藤がこちらの背後からは飛んでくる!コイン対スケスケ安藤である!
するとコインが西宮に変化していく!
そしてコインの西宮とスケスケ安藤の戦いになった!
安藤が柔道技をかける!
西宮がアッパーカットで反撃する!
安藤がゲーム機を取り出す!
西宮も取り出した!
そして数百もの安藤と西宮のゲームの対決が始まる!
勝ち負けはあちこちで分かれたが。
統計したら今度は西宮が買った。
「お前の負けだ」
「なんだとぉ……」
「「真面目に戦え!!!」」
「「真面目なんだよ!!!」」
「「怒んなよ……」」
「どうやら決着はつかなさそうだ」
「仕方がない俺ちょっとハイになろう」
「なんだこの軽いDIO」
「———我は豊穣——」
すると黒いもやが西宮を包む!
「金を溶かしたその城に 夜の明星は映るのか
満たせし両手に足りぬほど この世の富は溢れし道理
しかし止まらず 飽くことなかれ
この世は常に満たされず 民は涎を垂らすのみ
しかし我の欲望は けだものたちを統べまとめ いかなるときも 城となる
故に黄金 故に不変
我を称えよ———欲望の
そしてもやがドームを形成し割れる!
鳥の骨を基調としているが、それらは黄金でできているようにみられ、さらに宝石やアクセサリーが散りばめられている。顔の部分は鳥の頭が上下逆さまであり———空いている口には先ほど見られたカウンターのようなものが収まっている。
下品に見えてもおかしくない装飾品の量———しかしそうさせないバランスになっているのは、彼の欲望がそうさせているのかもしれない。
「ハッ!鳥頭になってなにをするってんだ」
「見せてやろう、この姿の真髄を」
すると再びコインを放出し、そしてそのままそれらはまた西宮になっていく!
「あ〜だり〜」
ちょうどいいタイミングで歩きタバコしながらおじさんが現れた!
そのまま一人がおっさんに近づいていく!
殴り飛ばした!
「え?」
おっさんはぶっ飛んでいく!
「てっ……てめぇ!何しやがる!」
するともう一人がまた近づいていく!
「えっ……なに?何が起きてるの⁈」
そして靴で落ちたタバコの火を消しながらおじさんの身体を持ち上げる!
「ほんと酷いことするもんですよね!」
「お前!……いや、違うのか?いや、なにが、なんだ?」
「何がしたいんだよ⁈」
「俺の口を見ろ」
するとカウンターがカタカタ音を立てて数字が上がっていく!
「通常なら同じ意識のもとの行動しか取らせられない……しかし!神秘圧縮状態なら別々の行動を取らせられる!」
そして頭をこんこんと叩く!
「そして溜まる一方というわけだ」
「なんてきな臭い戦略!」
「いいぞ西宮!やれ!」
「クソォ!てめー殴りゃ済む話だ!」
安藤は久しぶりに計算し、飛び込んでいく!
「それはどうだろうな」
コイン西宮が安藤を捕まえた!
「な⁈」
「どうやら分身の数が不確定すぎて計算は難しいようだな!」
そして複数のコインの西宮が安藤を取り囲んで殴る!殴る!
「ぐへ!卑怯者!」
「うるさい!これは戦略だ!」
「ぐええええ〜」
安藤はもはやボロボロになった!
「安藤さん!」
「なはは!ええぞ!ええぞ!」
「さて……」
すると西宮が笑みを浮かべながらコインを手に持って安藤に近づいていく!
「お前の欲望を解放しろ……」
「オーズ⁈」
「早く口開けろ」
「そこはアナログなんだ」
ツッコミで口を開けたせいか普通にコインが入れられた!
「ぐおおおおお!」
苦しみ始める安藤!
「西宮?とかいうの!あんた何をしたんですか!」
「簡単な話さ……俺はこいつの欲望を爆発させて暴走させて旅立たせる」
「「なんで?」」
「お前を無防備にさせる為だろうが!!!」
「そんなキレなくても……」
安藤は黒いもやを出している……しかしいやに量が多い!
「まさか!」
「あれは……」
「来い!安藤!」
そしてドームがいつもよりも刺々しい形で固まっていき、そして爆発するように割れた!
———その姿は、いつもの神秘圧縮とは違っていた。
真っ黒な棘が全身から生え、血管のように赤黒いラインが走っている。のっぺらぼうであった顔部分はとげとげの口がうまれている。
まさに暴走。
どうなっちゃうんだろう。
そしてゆっくりと口を開く……。
「……おっぱいおっぱい」
「いつもと同じじゃないですか」
「まぁ見ていろ」
すると安藤はアスタロトの背後に瞬時に移動し———
「ひゃっ!」
———胸を揉み始めた!!!
「B……いやCか⁈」
「最悪の形で出てきてしまった」
「離れろッ!!!……力強ッ!!!」
「ははは!……ははは……」
「悲しくなるならやめときなさいよ」
「離れろッ!!!」
アスタロトが蹴っ飛ばすと割と吹っ飛んでいった!防御力は下がっているのかもしれない!
「Woooooooooooo!!!」
しかし立ち上がり咆哮する!しかし手で揉みしだくジェスチャーをしているのでただの変態でしかない!
「……ははは!おしまいだな安藤!」
———しかし、謎の影が安藤のそばに現れる。
安藤はそのまんまその影の柔らかいものを揉んでしまっていた!
———その影にはすごく見覚えがあった。
「相川さん!」
「なんで……⁈」
「いや……元々あれだけの探知能力を持っていたのなら……性欲に関する機能を使ってここまで追いついてもおかしくはない!」
安藤は最初は勢いに任せて揉みしだいていたが———だんだん青ざめていき、そして顔部分が割れ、素顔が剥き出しになった。
絶望に打ちひしがれた顔だった。
そのまま相川が西宮の方を振り向き———ドヤ顔をしてまた消えた。
「なんてことを……」
安藤は正気に戻った!
「どれだけショックなんだ」
「しかしなにか掴めないはずのものを掴んでいたような気がする……虹か?」
「忘れんなボケ」
「……まさかこうなるとはな!しかしこれくらいはしてくると思ったぞ!安藤!」
「……よくも色々とやってくれたな」
安藤は腕を伸ばし、天に人差し指を向ける!
「俺は今!新たな力を制御した!それはお前のおかげでもあり!相川のおかげでもある!」
「なんだと⁈」
「見るがいい!———
すると安藤は両手を地につける———すると青い血管のような刻印が地面に刻まれていく!
「なんだなんだ!」
さらに地面がぐらつき始める!
そしてそのままやがてその触れている部分が光り輝いていき———
———そして青い光の柱が放たれた!
「綺麗ですね」
「呑気だなお前」
「これでどうする気だ!」
するとその柱が折れ曲がり西宮に飛んでいく!
「ワッ!」
よく見たらそれは安藤の集合体であった!
そしてそれが西宮を襲う!
「ぎゃああああああああああああ」
そして光がやがてスッと消えた。
その結果ボロボロの西宮がそこにいた!
「刹那緋色地獄の俺のエネルギーを圧縮してお前に撃った……刹那緋色地獄から実態を無くしている分お前のそのコインは通用しなかったってわけだ」
「……こんなところで、負けてたまるか!」
「いや、もうお前の負けだ」
「何⁈」
「今この時点で、お前は覚醒を残しているのか?」
「……それはっ……」
「今ここで何も起ころうともしていない時点で、お前にはもう何もできない!」
「ぐっ……」
「主人公補正もないやつが、世界の平和を守れるわけねぇだろうがよ!」
「確かに……」
地面を殴る西宮!
「……理屈通ってるか?これ……」
「さぁ……」
「……今日は俺の負けだ安藤、だが、俺はこれ以上負けるつもりはない……また会おう」
「いつでも待ってやろう」
そして西宮は去っていく……。
「……ボク置いてかれてる?」
「「うん」」
「あの野郎!」
アスタロトも追いかけてって、去った。
「この感触が残ってるうちに早く帰らないと……」
「言わないでくださいよ……」
「はぁ……はぁ……」
アスタロトは西宮を見失っていた。
「あいつ……」
彼女はここ最近で思い知った。
西宮光来は、なんか多分変な方の人だと。
彼をうまく使おうと思っていたものの……もはや彼には期待できなくなっていた。
「『あの方』のためだ……あとはボク一人でやる」
そう吐き捨てるようにつぶやくと、いつものビルの方向に踵を返し、どこかに向かっていった。
彼女が呼ぶ人物。
誰なんだろうね!
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