とある少女の投稿
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鬼が島に行った桃太郎は、実は太古の昔に日本にやって来た「魔族」である。魔族とは神楽に仕える魔力を持った一族であり、世界中にその同胞がいる。
魔族は概して「狩り」を得意とする。狩りの方法も種族によって色々あるが、狩りの対象は邪悪な悪霊、生き霊といった魔物の類である。日本では古来、これらを総称して「鬼」と呼んでいる。
魔族は人間界と魔界の番人として、代々人間界に入り込んだ魔物の狩りを行なってきた。太古の人間はその見えざる力に畏敬の念を有しており、また、鬼退治をしてくれる魔族と共存出来ていた。
しかしときに人間を囮にして狩りを行うことから、魔族は次第に人間から疎んじられるようになった。そして魔族を敵とみなす人間たちにより迫害を受け、人間界を追われることになった。
そこで魔族は、世界各地で勇者が魔物を狩るお伽話を作り広め、人々の記憶からその存在を消した。日本における桃太郎伝説の鬼退治もその一つである。
桃太郎伝説の魔族は、実際には神の使いである貂を操り狩りを行なったとされている。桃が選ばれたのは、桃には魔除けの力があるとされるからである。
魔族の普段の姿形は人間と殆ど変わらない。ただし、美形が多いといわれている。魔族による狩りの方法は明らかになっていない。なぜなら魔族が狩りを目撃された場合、目撃した人間を殺すか、または魔族にしなければならないからだと言われている。
この物語も魔族が姿を消すために新たに作られた物語……かもしれない。
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(まえがき)
才色兼備の女子高生夏川リサの不審死から一年。同級生たちは大学生となりそれぞれの日常を取り戻していた。魔族は新たな物語とその書き手である「書き魔」を探し始めていた。それには理由があった。そして任命されたのはなんと…普通過ぎる女子!
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(作者より)
★近況ノートに各話のイメージイラストを掲載しています。
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