11月25日 その2 雪中の祈り

 今日は母方の祖母の三回忌なので家族と一緒に電車で遠くまで来ています。母の実家やお寺があるのは岩手県の一戸町で、盛岡市と違ってこっちの方は雪が軽く積もっています。


 駅まで着いてえっちらおっちら町中を歩いて山もひたすら歩き、着いたお寺では他のところも拝んでいるようなので別室でしばらく待機。外から小さく聞こえる雨垂れの音とお坊さんの読経と叩かれる木魚の音以外は何もない静けさの中、軽く母方の祖母との思い出に浸ります。


 来れたとしても年に数回程度だった上に亡くなる少し前から施設にも入って最終的にはコロナで会う事すら出来なくなった中での死去。亡くなった今となってはもう少し色々話したり色々なところに行ったりしていたらなという気持ちばかりが過ります。


 遠くから来た自分達をいつでも祖父達と一緒に優しく迎え、帰る時には色々なお土産までくれた祖母。もう少し長く一緒に生きられたらという気持ちはありますが、死というのもいつかは訪れる運命であり、自分の死に方すら選べない人が多い世の中です。やはり人と人の付き合いというのは生きている内に大切にした方が良いのだと改めて思わされます。


 そしてその思いを胸に亡くなった祖母の三回忌に臨み、この雪降る中で天国でも幸せでいてほしいと願い、祈りを捧げようと思います。

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