第15話 悲
悲の分裂体はロッシュに向かって言う。
「あの小僧、まもなく○ぬだろう。竜に食われ、我々の糧となる」
「え……」
ドォォォォォォォン
彼が太鼓を叩くと、竜が動くらしい。
ロッシュは悲の分裂体と数多の竜に睨みつけられた。そして話しかけられる。
↓悲
「貴様、我々に何か恨みでも?」
「…………」
↑ロッシュ
「すぐに答えられないか。我々はアンタレス・キラキャラを探しに来た。
おそらく何か事情があるから、我々と戦っているのだろうが、もしやアンタレス関連か?」
「………」
向こうは泣きながら話しているのに、なぜか威圧感がある。
筋肉が強張って動かない。口も震えてしまう。
こちらが泣きたいのに、向こうが泣いているという困惑も、彼女を襲った。
そして熱い…竜の体温が熱い。
「とりあえず……」
ドォォン
グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン
悲の太鼓の音と共に竜たちが叫ぶ!!
今の雄叫びで、コンクリートの地面に亀裂が入った。
↓ロッシュ
「(ここで逃げたら、アンタレスさんが危ない…。
だから守るしかない!絶対に…)」
ロッシュは高くジャンプし、分裂体に向けて、不規則な軌道を描きながら稲妻を振る!
↓悲
「実力の差を見せてやろう。
ドォォォォォォォン
竜たちが壁を作るように並び、猛スピードでロッシュへ突撃してきた!
「⁉︎」
ズドカァァァァァァァァァァァァァァン
振った稲妻が竜の鱗に刺さった!抜けない!
「(ヤバい、分裂体から遠ざかっていく!)」
ブシャァァァァァァァ
なんとか抜けた稲妻を伸ばして、分裂体を攻撃しようとするが、避けられた!
「(あの分裂体をどうにかしてからじゃないと……)」
↑ロッシュ
「(あの子供の身体能力…我々にも匹敵する。
先にこいつを始末しなければ。
↑悲
彼は太鼓で、アントニオに集まっている竜を呼ぶと、一斉に突撃させた。
一方、アントニオは、竜たちに体の半分を食べられて、横たわっていた。
幸い心臓は破壊されていない。竜たちが何も考えずに突撃してきたからであろう。
そして、すぐ近くの瓦礫の影から、アンタレスが見ていた。
「⁉︎…アンタレs」
「しーっ!
今敵がいるから大声出すな。体力もそこに使うな」
↑アンタレス
「わかったわかった。ねぇ、あいつら倒して」
「それは……無理。援護しかできない」
「えぇ……」
「だけど、あいつらの弱点なら知ってるよ」
「え⁉︎」
「本体がいるんだ。あいつの胃の中に!」
「あいつ?」
アンタレスは竜の上に乗っている激怒を指差す。
「あいつ」
「あいつ⁉︎」
「そう、
「おっk、へぇ……あっそう」
アントニオは体を再生すると、全速力で、激怒の元へ走っていった。
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