第13話 分裂体
アントニオは分裂体たちに向けて、ピーラーを14個同時に投げた!
速度が速く、密度が高くて避けられない!
「開幕から楽しませてくれんじゃーん!
だがこんな攻撃、楽勝だよ!」
楽が掌から槍を出し、ピーラー全てを突いて撃ち落とす!
その隙間を埋めるように、テンションがアントニオに向けて爆弾を40個も同時に投げた!
「
「(俺よりも数多いじゃねぇk)」
ドンガラガッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン
コンクリートの地面にクレーターを空け、瓦礫が雨のように降ってくる。
アントニオは巨大な蛇口を生み出すと、なんと浮遊した!
「え、あいつ空飛べんの⁉︎」
「良いなぁー!」
「疲れそう」
「家に篭ってた方が良い」
「落ち着け!冷静に対処しろ!」
激怒が遥か上空から雷を降らす!
ズバァァァァァァァァァァァァン
「おうと⁉︎」
アントニオは蛇口から巨大な水塊を発射し、雷を相殺。
そして、雷に当たらなかった水塊が雨のように降ってきた!
その雨粒を鬱が、カッターを使って破壊する。
「ハァ、俺の今の心情みたい」
「疲れるからやめろよ」
「くっ!」
アントニオは背中から巨大なフォークとナイフで鬱を突き刺した!!
「
ブシャァァァァァァァ
「ぐっ、クソ!」
彼はブーメランをアントニオの死角へ飛ばし、なんと彼の頭を吹き飛ばした!
そしてそこへ疑問が現れる。
「あなたはなぜ、ここにいるんですか!」
彼はどうやら翼が生えているので、空を飛べるらしい。
アントニオを腕で掴み、空へ連れていった!
頭部を再生したアントニオは怒鳴る。
「んだよおい、離せ!」
「あなたは少し落ち着いてください。なんでそんなに怒鳴る?」
疑問は空中でアントニオを投げ飛ばすと、突然体当たりしてきた!
疑問の切れ味の良い翼が
「ふぐっ⁉︎⁉︎(こんくらい避けてやる)」
↑アントニオ
「(あいつ、やはり人間ではないな?
あの身体能力と蛇口、浮遊…生物兵器の可能性が高い)」
激怒はそう考えながら、錫杖からビームを放った!
そのビームが突撃してくる疑問を迎撃しようとするアントニオの腕を消し飛ばす!
ブシャァァァァァァァブシャァァァァァァァ
「⁉︎…腕g」
ブシャァァァァァァァ
心臓に傷がついた!致命傷になりかねない。
「ヤベ、助けt」
ズバァァァァァァァァァァァァン
テンションの指から撃たれたミサイルによって、彼は体の半分を破壊されてしまった。
辺りはすっかり暗くなっている。
その様子を、ロッシュは家の影から見ていた。
アントニオが帰ってこないからだ。
そして音のする方へ来てみれば、この有り様。
地面に横たわるアントニオは、激怒の錫杖に胸を刺され、踠いていた。
電流が絶え間無く流れ、苦しそうだ。
「ゔっ…ゔゔゔぅぅぅ…」
↓激怒
「おい小僧、アンタレス・キラキャラを知っているか?
奴はこの辺りに逃げているはずだ。街の安全のためにも頼む」
「街 破壊し といて 何言っ てんだよ テメェ」
↑アントニオ
「まだ吐かない様子だな。
お前ら、街中を探してこい。奴を見つけるんだ!」
激怒の命令で、分裂体たちは街を探索し始めた。
「いつになったら寝れるん?」
↑鬱
「疲れるからやめろよ…そんな事言うのさ」
↑疲
↓ロッシュ
「(ヤバいヤバいヤバい!このままじゃ、アンタレスさんが見つかっちゃう!
でもどうすれば……いや、ここはもうやるしかない)」
彼女の握る手に、赤い小さな稲妻が出現する。
そしていつのまにか、それを楽とテンションの分裂体に振っていた。
ブシャァァァァァァァ
「ふごっ⁉︎」「ぐふぁ⁉︎⁉︎」
「(心臓を破壊したはず…)」
ロッシュは2人の様子をしばらく見ていた。
するとやはり、また分裂して増える。
「え⁉︎⁉︎」
ブシャァァァァァァァ
ロッシュの腕が千切れる!どうやら新しく増えた、欲の分裂体に切られた模様。
彼の手には青く光る剣があった。
「(は、速い…視認できない)」
「欲こそ最強で最大の感覚。人間の欲を融合させれば、悪をも滅ぼす!
↑欲
彼は斬撃を飛ばした!
「⁉︎」
ブシャブシャブシャ
スタッ
今の音でアントニオは、ロッシュの存在に気づく!
「姉ちゃん逃げて!」
「あ?姉?」
激怒は欲と戦っている彼女を発見。
ロッシュは稲妻を剣のように扱って、欲と上手く戦えているようだ。
そしてなんと、その稲妻の斬撃を喰らった欲に、亀裂が走り続けている。
激怒は思った。
「(ひび割れを促進させている。あれは完全に人間の技ではない)」
「お前、早くどっか行け!」
↑アントニオ
「うるさい小僧。鬱、疲…欲を助けろ!
テンションと楽は小僧の監視を頼む!」
激怒が指示を出し、その後走り去る。
テンションと楽は「え、逃げるの⁉︎」と思ったでだろう。
↓激怒
「(携帯電話が繋がらない。あの小僧に壊されたんだ。
なら直接、妖退に知らせなければ!)」
彼は猛スピードで走る!それを楽は見ていた。
テンションは、あくび…である。
↓楽
「逃げた訳では無いと思うから良いけど、俺はもっと暴れたいんだよなぁ!
監視なんてつまらない」
「ハァ、監視とかずっと立ってれば良いだけじゃん。テンション下がる」
↑テンション
ズバァァァァァァァァァァァァン
稲妻の斬撃が辺り一面に亀裂を走らせる!
「
疑問が腕についた盾でロッシュの稲妻を止めた!
この盾は彼の肉でできているらしく、再生可能。亀裂は一瞬も走らない。
「(複数人相手はさすがに難しい!
私が先に負ける…でもここで終わったら、アンタレスさんが!)」
ロッシュは一瞬の間に斬撃で四方八方から囲むように疑問を襲う。
さすがに彼の盾でも、今の攻撃を防ぐ事は無理らしい。
「ぐふぁぁぁァァァァァァァァァ⁉︎」
「(ダメだ!)」
疑問の心臓が破壊される前に、彼女は斬撃を止めた。
先ほどの感じからして、おそらく心臓を破壊したら、分裂する。
しかし考えが甘かった。
「早くどっか行ってください!」
疑問が空高く飛び、足でロッシュを蹴飛ばした。
ダッ
「⁉︎…」
彼女が地面へと落ちていく!アントニオと違い、浮遊できないらしい。
そこへちょうど、鬱と欲が背後に現れ、背中を貫こうと技を出す!
「(やっと仕事終わる)」
「欲には勝てぬ」
「(ヤバい、心臓を狙われている!)」
ズバァァァァァァァァァァァァン
突然、3人の分裂体が光と共に消えてしまった!
しかもしっかり、心臓を破壊していない。体だけを破壊したらしい。
この光はなんだ?
「(もしかして……)」
ロッシュは着地すると、辺りを見渡し、確信した。
なんと家の窓から隠れて、アンタレスがビームを撃っていたのだ!
魔力も彼女のものだとバレないくらいの量だが、それでも分裂体を消し飛ばすほどの威力。
彼女のガッツポーズも威力抜群。
そして、アントニオはテンションと楽に反撃しようと考えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます