vs.食器と稲妻の螺旋

まめでんきゅう–ねこ

本編:日常編

第1話 星の怪物

ブシャァァァァァァァ



血が舞った!人々が絶叫する!



浅草の街の奥にある、この廃墟ビル街周辺では、よく彼女が出没し、世間を騒がせている。



腰よりも長いロングヘアで、手が完全に隠れるほど長い裾の、薄ピンク色の和風仕立てのドレスを着て、血飛沫を上げるそいつは、星の怪物と呼ばれていた。






アンタレス・キラキャラ…数々の悪行を繰り返し、人類とは別の存在とされてしまうほどの残酷さと冷酷さを合わせ持つ。

証拠として、彼女は人間なのにも関わらず、と和名がつけられてしまった。



警察では手がつけられず、彼女を討伐するためだけの組織も作られてしまうほどに。

その組織とアンタレスが今、廃墟ビル街の奥で戦っているのだ。






銃やスモークでの攻撃を繰り返す専用討伐組織『アレース』は、やはりと言うか、押され気味だった。

もっと大がかりな武器はあるものの、浅草の廃墟ビル街の奥という事で、使用できないのだ。



しかしアンタレスはお構い無く、広範囲に避けるのが困難な攻撃を、手にある杖で連発していた。



悲鳴よりも大きな爆音が聞こえてくる!

灰色のビル街が赤く染まってきた。


↓アンタレス

「結局のところ、私には警察よりも格上のお前らでも勝てない。いい加減諦めろ。バカバカしい。

私は心臓を破壊されない限り、足や手を失っても再生する。しかしお前らは違うだろう?この杖の恩恵を受けてないからだ」


アンタレスの杖から光の刃が飛び、人々を切り裂く。

そして、ビームが放たれた!






ズドカァァァァァァァァァァァァァァン


ここで戦っていた組織の者たちは、原型を止める事無く○んでしまった。

アンタレスはため息をついて言う。


「私が何をしたのか…ただストレス発散のために殺人を繰り返しているだけなのに。

しかもまだ12年しかしてないぞ?これはもう救えないな。

とにかく、どこかに服を洗う所は無いか。血がついちゃったよ服に」


地面を降り立ち、辺りを見渡す彼女は、シャウラという杖をそばに置いた。


このビル街がアンタレスの拠点なのだ。なぜかは知らないが、このビル街の奥にはあまり人が来ない。

今の戦闘も、ここで行うのは初なのだ。組織の襲撃なんて起こった事は一度も無い。


このビル街によく出没すると政府はわかっているはずなので、派遣するのなら、ビル街のの方まで組織を派遣するであろう。


しかし奥まで組織が来た事は今日が最初。何かここに結界でもあるのだろうか?



「まぁ考えても無駄か。場所がバレたから、拠点を変える必要があるね。

この杖を奪ってきて本当に良かった。おかげでここまで強くなれた」



彼女は血の匂いが漂うビル街を、呑気に歩いていった。

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