第3話 軍の脅し
ブルーノたちが警戒に出かけて、アウレールとクリスタは自警団の事務所で留守番をしている。
するとオペレーターのヨハンに29エリアの哨戒班から通信が来る。
「ヨハン、軍の連中が29エリアに近づいているぞ。軍用車2に自走砲1だ。」「分かった。エリア長に伝える。」
ヨハンは、アウレールとクリスタに言う。
「軍の連中が近づいている。ここに来るかもしれないから逃げろ。」「分かった。丘へ行くよ。」
2人は事務所を出て丘へ走って行く。
エリア長のユリウス・アルペンハイムの元に自警団員が集まってくる。彼は自警団員を伴ってエリアの入り口へ向かう。
ユリウスは、軍を待ち構える。軍用車と自走砲はユリウスの近くまで来ると止まり、軍用車から3人降りてくる。軍人がユリウスに言う。
「出迎えありがとうございます。早速滞納している税を払っていただけますか。」「このエリアは自衛しているので納税の必要はありません。」
「そんなこと言っていて良いのですか。野盗に襲われますよ。」「心配いりませんよ。常に警戒していますから。」
「そうですか。」
軍人が右手を上げると自走砲が砲撃する。砲弾は丘に命中する。その近くにはアウレールとクリスタがいた。
2人は衝撃に投げ出される。ユリウスが抗議する。
「何をする。」「野盗らしきものが見えましたので砲撃したまでです。」
「人がいたらどうするつもりだ。」「大丈夫です。我々が攻撃するのは野盗です。住民には被害は出しません。」
「被害が出たらどうするつもりだ。」「それは野党の仕業でしょう。住民に紛れているかもしれませんね。」
「何を馬鹿なことを言っている。」「次は良い返事を待っていますよ。」
軍事は脅し文句を言って帰って行く。ユリウスの握るこぶしが震える。
アウレールとクリスタは地面を転がったが幸いけがはない。砲弾が当たった地面は崩れ陥没している。
2人は見に行くと穴が開いている。アウレールは穴に入って行く。クリスタがアウレールに言う。
「危ないよ。」「ちょっと見るだけだから。」
彼は穴に入るとすぐにくすんだ白色の物に突き当たる。表面は滑らかで明らかに人工物である。
アウレールは穴から出るとクリスタに言う。
「中に何か埋まっているよ。」「自警団に知らせましょ。」
2人は自警団の事務所に戻って行く。アウレールとクリスタが事務所に戻るとヨハンが心配そうに言う。
「大丈夫だったかい。」「近くに砲撃が来てびっくりしたよ。」「私は怖いよ。」
クリスタが震える。アウレールはヨハンに言う。
「攻撃で穴が開いたんだけどその中に何か埋まっているよ。」「分かった。調べておくから今日は家に帰りなさい。」
アウレールとクリスタはヨハンに言われるまま家へ帰る。2人は家が隣同士である。家に着くと2人の両親が心配して外に出ていた。
連絡を受けたブルーノたちが戻ってくる。ユリウスがブルーノに言う。
「遅いぞ。」「留守を狙われたんですよ。状況はどうです。」
「自走砲の砲撃が1発あっただけだ、けが人はいない。」「あいつら、とうとう撃ったんですね。」
「ああ、次は仕掛けてくるぞ。」「準備を始めます。」
ユリウスは他のエリア長に連絡を始める。
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