親露プロパガンダと反ワクチン陰謀論

 少し古い記事ですが、非常に興味深いうえに現在SNS上で起きている現象にも直接つながっているものなので、ご紹介します。


「ロシアのプロパガンダ、誰が拡散? SNS分析でみえた情報戦の姿」

https://mainichi.jp/articles/20220504/k00/00m/030/248000c


 真偽不明の情報や陰謀論を発信しているSNSアカウントを分析した結果、それらのアカウント群の多くは主に米国の極右系陰謀論「Qアノン」に共鳴した内容や、新型コロナウイルスのワクチンを巡る誤情報を発信していたが、ウクライナ侵攻の直前からロシア政府の主張に沿った投稿を拡散する傾向がみられ始めたとのこと。


 確かにリアルご近所さんでも、反ワクチンを声高に主張するボスママさんは、ここ数年プーチン氏やトランプ氏を絶賛してゼレンスキー氏をナチス呼びしたり、「バイデン氏やクリントン氏は犯罪者だからすぐに刑務所に入れるべきだ」とおっしゃっていたりして、反応に困り果てていましたが……

 やはり反ワクチンと親露プロパガンダの相性は極めて良いようです。


 その背景として、こちらの記事では反ワクチンとウクライナ情勢について「どちらも社会の関心が高く、それについて話せば承認欲求が満たされ自己満足を得やすい共通点がある」「真相がはっきりしていない部分が多く、陰謀論が入り込みやすい点も似ている」と指摘しています。


 この「話せば承認欲求が満たされ自己満足を得やすい」という点は、「勉強は嫌いだが知的だと思われたい」という願望を抱えた人にとっては極めて魅力的に映るものなのでしょう。


 直接的な利害がないはずの日本人であるにもかかわらず、熱烈にトランプ氏やプーチン氏を支持する人々の一部が、感情的にこれらの言説に固執しているのも、こうした背景があるのかもしれません。

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