第4話 冒険者達の掲示板



【ダンジョン配信者について語るスレ】


 

250:名無しの冒険者

ダンジョン配信者って危険やねー 


251:名無しの冒険者

モンスターがいつ襲ってくるか分からないダンジョンの中で配信とか俺には真似できんわー


252:名無しの冒険者

危険といえばさ、ダンジョン配信者のハルカちゃんが最近死にかけたって話題になってるけど、助かったん?


253:名無しの冒険者

>>252 助かったよ

通りがかりの冒険者達の助けが入った

 

254:名無しの冒険者

あれ、ほんとに運いいよなー

 

255:名無しの冒険者

それな、大抵は間に合わんし

 

256:名無しの冒険者

助けにきた冒険者達ってやたら話題になってるけど、有名人だったりしたの?

 

257:名無しの冒険者

あー、怪しいパンフレットをお礼の代わりに渡したりした奴だろ? 

 

258: 名無しの冒険者

男の方も女の方も無名やで

今、なにしとるんかな?

 

259:名無しの冒険者

ちょっw おまいら、その二人が今配信してるで

配信とかやってないかなーって調べてたら、ガチャ屋第一弾の目玉商品の解説とかいう配信してるww

 

260:名無しの冒険者

>>259 何やソレw

面白そうだし、見に行くわ





――――――――――――――

 



 一人の少女がアクロバティックにダンジョン内を駆ける――

 右手には鞘に入ったままの剣。

 時には壁を走り、時には天井をも駆ける。


 対するは、巨大な氷の巨人だった。全長20mはある巨体を活かした攻撃や全てを凍らせるブレスで少女を排除しようとする。普通の冒険者ならば、片方だけであってもひとたまりもないであろう攻撃。


 しかし、少女には届かない。長い灰色の髪を靡かせながら、ひょいひょいと避けていく。


 当たらないのに業を煮やした氷の巨人は、自身の持つ最大威力のブレスで辺り一面を凍らせることを選択する。


 巨大な腕を虫を払うかのように振ることで、少女に距離をとらせて時間を稼ぎ、その時間猶予を使った氷の巨人の口にはブリザードの如き氷のエネルギーが集中していき――――――――――阻止するために近づいていた少女に向けて放たれた。


 絶対絶命の危機……

 だが、少女は慌てることもなく手に持った鞘から剣を抜いた。


 それは――赤い剣だった。

 真っ赤な輝く抜き身。見惚れてしまうような美しさを持った剣。


 少女は迫り来る氷のブレスに対して、その剣を振りかざし――――次の瞬間世界は紅蓮に包まれた。


 炎が消え、生き残っていたのは、この現象を起こした剣を持った少女だった。

 氷の巨人は消えている。必殺の氷のブレス諸共炎の魔剣を一振りされただけで消し飛んだのだ。 

 氷の巨人の背後にあったダンジョンの壁もあまりの熱に溶解していた。


「はい!ということであの炎の魔剣が第一弾ガチャの目玉になりまーす!」


 その後、男が使って見せたりすることで、誰もが使えるということを証明し、ガチャについては随時情報を出していく旨を伝え、配信は終わった。



 


―――――――――――――――



 【ダンジョン配信者について語るスレ】


350:名無しの冒険者

………………………… 


351:名無しの冒険者

…………………………


352:名無しの冒険者

……………………なにこれ


353:名無しの冒険者

魔剣って実在したの?漫画とかだけやなかったん?

 

354:名無しの冒険者

>>353 いや、鍛冶屋のジョブ持ちが作れるのは切れ味が良いだけの普通武器だけやったはず

 

355:名無しの冒険者

そんなんあるなら、俺も使いたいわー

 

356:名無しの冒険者

>>355 本気にしてるの草

嘘に決まってる

 

357:名無しの冒険者

>>357 ユニークジョブ持ちとかだったら、あり得るかもしれん

 

358: 名無しの冒険者

>>358 たしかにユニークジョブ持ちはなんでもありやからなー

ってことは、俺ら魔剣士になれるの?マジか

 

359:名無しの冒険者

戦士ジョブのワイ、魔法は使えないものとして諦めていたので歓喜

 

360:名無しの冒険者

>>359 ワイも一度は使いたいと思ってた

普通に買うんだったら高過ぎて無理だろうけど、ガチャならワンチャンあるか……?

 

361:魔法好き好き戦士

とうとう俺が魔法を使える時が来たようだな 

 

362:名無しの冒険者

誰やこいつ

 

363:名無しの冒険者

>>362 魔法が使いたい奴らが集ってるスレで自分がいかに魔法が使いたいかを長々と語ってるやばい奴

 

364:名無しの冒険者

コテハンキモ過ぎw

 

365:名無しの冒険者

>>364 魔法好き好き戦士ニキは、名前もヤバいが行動もヤバい

これまで色んな魔法を使えるようになるグッズやら薬とかを試しまくってるガチ勢や

 

366:名無しの冒険者

>>365 ただの鴨で草

 

367:名無しの冒険者

>>366 なお成果は? 

 

368:名無しの冒険者

>>367 何の成果も!得られませんでしたぁぁ!

 

369:名無しの冒険者

駄目やんw


370:名無しの冒険者

というか魔剣で魔法使うのは有りなん?


371:魔法好き好き戦士

>>370 正直、自分の力で為したいという気持ちはある

……だが、最近は行き詰まってしまってな

ありとあらゆる可能性を模索したが、全部ダメで途方に暮れていたんだ

ぶっちゃけ言おう、物に頼ろうと俺は魔法を使いたいんだぁぁ(泣)


372:名無しの冒険者

>>371 草 


373:名無しの冒険者

これはどうしようもないな

  

374:名無しの冒険者

話戻さない?

 

375:名無しの冒険者

そうやな……

 

376:名無しの冒険者

実際のところマジでどうなん?

 

377:名無しの冒険者

>>376 何が?主語言え

 

378:名無しの冒険者

>>377 魔剣が本物かどうか

 

379:名無しの冒険者

……わからん

 

380:名無しの冒険者

でも、分かってることがある

 

381:名無しの冒険者

>>380 何が分かったん?

 

382:名無しの冒険者

氷の巨人を倒したあの炎の魔法がくそ強いこと

  

383:名無しの冒険者

>>そんなことみんな分かってるんだよなぁ

 

384:名無しの冒険者

>>当たり前のこと言ってて草

 

385:名無しの冒険者

仲間に魔法使いがいないから分からないけど、そんなにやばいん?

 

386:名無しの冒険者

マジやばい


387:名無しの冒険者

あの氷の巨人は氷系ダンジョンの下層にいるボスモンスターやぞ


388:名無しの冒険者

下層!?

下層のボスモンスターを一撃で倒したんか!?

 

389:名無しの冒険者

CGの可能性は?

 

390:名無しの冒険者

>>389 調べたけどなかった

 

391:名無しの冒険者

じゃあ、あの炎が魔剣によるものかは置いておくとして、実力者ってことはたしかやな


392:名無しの冒険者

あの炎が剣を持つだけで撃てるんなら、魔法使いいらんくね?

 

393:名無しの冒険者

>>392 トップ層の魔法使い達は、あれより火力は上や

 

394:名無しの冒険者

>>393 そうやな。魔法使いのワイから見たら、あの炎魔法はすごいけど、実力者の魔法まではいかんように思えた。

 

395:名無しの冒険者

うーん

 

396:名無しの冒険者

……てことは、大したことない?

 

397:名無しの冒険者

>>397 なわけ

 

398:名無しの冒険者

>>397 ちゃんと考えろ

 

399:名無しの冒険者

魔法使いが使うんやなくて、戦士とかの近接ジョブのやつらが使うんや

 

400:名無しの冒険者

>>399 悲報)新人冒険者なワイ、ジョブとか持ってないから話について行けない

  

401:名無しの冒険者

>>400 新人なら仕方ないか

ダンジョンには、物理が効かんモンスターが出るんや

代表例は、レイスとかスライム

レイスはすり抜けて攻撃が当たらないし、スライムも燃やしたり凍らせたりして砕かんといかん

 

402:名無しの冒険者

基本そいつらに出くわしたら、魔法使いがいなかったら逃げるしかない

 

403:名無しの冒険者

倒すには魔法使いジョブが手に入れるスキルじゃないと駄目なんよ

 

404:名無しの冒険者

>>403 他のジョブじゃいけない理由は?

 

405:名無しの冒険者

>>404 ファイアーボールを始めとした超常現象のスキル、いわゆる魔法を起こせるのは、魔法使いジョブだけだから

 

406:名無しの冒険者

へー、じゃあ魔剣があれば戦士でも対応できるようになるんか

画期的やな

 

407:名無しの冒険者

魔法使いのワイとしても、道中の雑魚に魔法は使いたくないから嬉しい

 

408:名無しの冒険者

魔法使いのスキルは燃費悪いもんなー

 

409:名無しの冒険者

魔法使いが力尽きたら、基本撤退だな

 

410:名無しの冒険者

魔剣があれば、道中を戦士

ボスを万全の魔法使いで戦えるわけね

最高やん 


411:名無しの冒険者

一応期待して待っとくか

 

412:名無しの冒険者

回すかは自由だし、一弾は見送りやな

本物だったら二弾もあるだろうし

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る