暗殺のターゲットが元カノ(元カレ)だった

海山蒼介

プロローグ

 僕は今、首筋にナイフをあてがわれている。

 ほんのちょびっと刃を横にずらすだけで軽動脈は掻っ切られ、その瞬間に僕の人生は幕を終えるだろう。

 しかし、ただでは終わらせない。

 首筋に冷たい感触が伝うと同時、僕は手に持ったピストルの銃口を目の前でナイフを構えているそいつの眉間に押し当てているのだ。

 あとはもうこのまま引き金を引くだけ。ざまあみろ、これで相打ちだ。

 そう、思っていた……。


「ウソだろ……何でキミが……」

「ウソ……何でアナタが……」


 信じられない、こんな事があり得るのか?

 とある殺し屋を殺して欲しい。その依頼を受け、僕はここに来た筈だ。

 なのに何故こんなところに僕の……、


 僕の元カノが居るんだ⁉︎

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