ユメミグサ
ゆめのみち
ここにきた君よ、聞いておくれ
そこのたまたま偶然通りかかった君
たまたま偶然、椅子に座り込んでる私の前に立ち止まった君
きいておくれ
私は今物凄く悲しいのだ
なぜだか分からない
いや 分かっている
けどそれはとても今の私では誰かに言うことができないのだ
君が連れられてしまう前に聞きたい
君は、寝ていようが起きていようが自分のしたいことがあろうが
その体を勝手に使われ
けれども君のいる家には空調設備もなければエアコンもない
そして電気もない
小さなベッドに他の子達とぎゅうぎゅうにつめられ
相手の都合で外に出され
時には運試しにあらぬところへ投げつけられる
時にはラケットで叩きつけられる
そんな君はどうしてここに来たのだ
どうしてそこで立ち止まったのだ
皮膚が黒くなり黄色と黄緑のどちらとも言えぬ毛をさばだたせてなお休む事も許されぬ
そんな姿で。
君が来たとき、
勝手に自身のこのどうする事もできない悲しさから愛を錯覚し
勝手に心があたたまった
そんなことを一方的に押し付けられた君は
どう感じているのか
君も悲しいのだろうか
自分ではどうしようも出来ないのに相手から更に感情まで押し付けられる
君にも深く底など見えない 覗けば落ちたくないという恐怖を感じる湖があるのだろうか
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