第2話 リップスティック

女はひとりで暮らしていた。

故郷を離れて、誰ひとり知り合いもいない都会で暮らしていた。


無口で化粧っ気のない地味な服装は

まだ32歳なのに40過ぎのくたびれた女に見えた。

職場でも仕事以外では何も話さなかったから

陰気臭いおばさんと陰口を言われていた。


女の生活は半を押したように同じ事の繰り返しだった。

まるで、それは生きているのか?

死んでるのかさえわからないようだった。


アパートの部屋には最小限の生活が出来る物しか無かった。



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