第3話

「艦長!無理な注文しやがって!」


 次にナラに話しかけてきたのは、“地球”という惑星の生き残りであり、優秀な機関部員のアオイだ。


 彼女もナラが機関部長にアサインした。


「必要な機能だろう?」


「……だが……」


「私たちは役目上、武力を行使することは出来ない。だが、無駄死にしに行くわけにもいかない。違うか?」


「あっ~、もう!!何とかするよ」


「君なら出来ると信じている」


「……そう言えば良いと思ってるんなら大間違いだからな!!」


 アオイは足早に去って行った。


 その後も操舵士のリズや、同じく操舵士で艦の最年長キャット星人のマンジロウ、通信士のセルゲイなどクルーがナラに声を掛けてくる。


 非接触型テレパスのナラにぼんやりと見えている心のイメージはどの者も前向きで、どうやら皆この任務に付いてきてくれるらしい。


 ナラが彼らを選んだ理由はただ一つ。皆、母星を星間戦争で失っている。そして上層部が選んだ副艦長もまた、星間戦争で母星を失っていた。


「どうして上層部は、宇宙一好戦的と言われるパキア星人を副艦長に任命したのか?」


 ナラは不思議に思った。

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