(8)
「お嬢様と一緒の部屋で寝た方が良かったかなぁ……」
今晩も、また、お嬢様と第2王女は一緒に寝てる。
一体全体、女が王族のそれも子供を言葉は悪いが「傷物」にしたら、どんな罪に……。
いや、待てよ。
今、お嬢様が置かれてる状況からして、そんな事になっても、表沙汰には出来な……いや、バレたら、秘かに始末される事になるのか?
まだ何も起きてないと信じたいけど……逃げ出す準備はしといた方がいいかも……。
「ところで、駄目元で訊くけど……お姉ちゃん居る?」
「えっ?」
声の主は……ラートリーと出会った日に一緒に居た女の子の2人目。
「お……お姉ちゃん? 誰?」
「宮廷魔法使いのサティ。あたしとラーちゃんは、その妹」
「え……えっと……どうやって王宮に……?」
「秘密」
「何で……その……」
「がじじじじ……」
「がじじじじ……」
第3・第4の声の主は……。
「なんで、ラーちゃんとミッちゃんにはなついてんのに……あたしには、こうなんだろ?」
第2王女のペットの鳳龍だった。……しかも、めずらしく機嫌が悪そう。
「じゃ……お姉ちゃんに伝えといて。知ってると思うけど『熊おじさん』は、今、病気なんで……本来の半分ぐらいしか
「えっ?」
「ただし……『熊おじさん』の後継者候補と、兄弟分が王都に集結してるから気を付けろ、ってのも付け加えてて。『湊府』を仕切ってた娘のジョリーと『砦府』の甥のドンリーと『江府』の兄弟分のモング」
「え……えっと……どうなってんの? そもそも、何で、隣の国の王子様が……その『熊おじさん』なんて変な名前の人に……」
「お供と一緒に、その手に店に遊びに行って……ツケを貯め過ぎたみたいで……で、リーダー格だった王子様が金を持って来るまでの人質になった」
おい……。って、あの王子様なら有りそうだけど……。ああ、そうゆ〜お店で遊んでたから、ここんとこ王宮に来てなかったのか。
「でも、お供は、王宮に顔出してたけど……」
「あ〜、他の国の王宮に連れて来れないようなお供。まぁ、お供ってのは表向きで、早い話が悪い遊び仲間」
やれやれ……。
「あの……でも、単なるその手のヤクザ相手に、何で、ここまで大騒ぎが起きてんの?」
「だから……『熊おじさん』が……名前の通りの相手だからよ」
「へっ?」
「今は病気だけど……少し前までは……単なるヤクザの親分じゃなくて、この国どころか、この辺り数ヶ国で最強の……」
えっ?……さ……最強って言っても……兵隊が何十人も一斉にかかれば、何とかなるんじゃ……?
「
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます