第207話 踏んでいるじゃん

上司のお子さんが二人、会社に来ていました。

会社の庭でむしった草を土の中に埋めたり、水を撒いたりして遊んでいます。

六歳の長女ちゃんが言いました。

「埋めたの、誰かに踏まれたくない」

四歳の次女ちゃんが言いました。

「絶対に踏まれない場所があるよ」

長女ちゃんが聞きます。

「どこ?」

次女ちゃんがすぐ近くの地面を足で踏みながら答えます。

「ここ」

長女ちゃんは、踏んでいる妹の足をただ黙って見ています。


…踏んでいるじゃん!

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