第166話 勉強になります

取引先に電話をしました。

「恐れ入ります。Aさんをお願いします」

先方はこう答えました。

「Aは二人おります。どちらのAでしょうか?」

私は名刺を手に答えました。

「主査のAさんです」

先方が間髪入れずに返します。

「二人とも主査です」

私は食い下がりました。

「五十代の男性です」

先方も食い下がります。

「二人とも五十代の男性です」

私は負けじと返しました。

「 勉強不足で申し訳ありません。こちらは何とお読みしたらいいでしょうか。訓練の訓、と書いて…」

先方は嬉しそうに答えてくれました。

「サトルと読みます。代わります」

私も嬉しくて言いました。

「サトルさんですね。勉強になります」


はい、授業料を払うどころか、お給料を頂いて勉強させて頂きましたm(_ _)m

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