第112話 リュックの行方
出掛ける寸前で気が立った様子の先輩が、後輩に荒い口調で言いました。
「おう、もう行くぞ、時間ねえよ」
後輩はモタモタしています。
「おい、〇〇、お前リュックどこにやったんだよ」
後輩はうろたえています。
「あのパソコンの入ったリュック、どこにやったんだよ」
私は静かに言いました。
「〇〇先輩、左肩にしょっているの、何ですか?」
先輩は左肩に、探しているリュックを掛けていました。
みんなも先輩も苦笑しています。
「〇〇先輩、面白いですね」
みんなも先輩も更に苦笑します。
「〇〇先輩、可愛いですね」
先輩は、もうアカンという感じで笑い崩れています。
帰ってきた後輩に言われました。
「おもながさんのお陰で、今日一日、〇〇先輩スゴい優しかったです」
良かったねぇ(=^▽^=)
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