　東武署の殺人課に所属する村木課長は、1年前、部下の妻と不倫関係にあり、その不倫相手と会った帰りに酒に酔って娘を交通事故で死なせてしまっていた。罪悪感にさいなまれながらも、あの日何が起こったのかを説明できないでいる彼は、妻の梓とも口をきかなくなっていた。一人娘の死について、明らかに夫を責める梓。

　ある日、梓はおしゃれをして出かけたが、ブラウスに血がついたまま突然帰宅する。しかし、そのことを説明しようとせず、村木は釈然としない時を過ごす。その後、暴力団関係者の殺人事件の捜査に駆り出された村木は、現場に妻の存在を示唆する痕跡を発見して愕然とする。妻が事件に関係していると思い込んだ村木は、妻を容疑者として特定されないよう、あらゆる手を尽くす。

　そんな中、梓の関与を知りながら金を要求する謎の男から連絡が入るが、梓は何も語ろうとしないため、事態はさらに悪化する。