　ひどく気弱なために、同僚から皮肉で「チキン」というあだ名で呼ばれている刑事の米倉は、殺人事件の捜査中に強盗に遭遇し、たまたま人質となっていたギャングのボス、龍造寺の命を助ける。龍造寺は礼として、米倉の自宅に萌歌という女を送る。萌歌の兄は龍造寺から多額の借金をしており、「抵当」となっていた彼女は逆らうことができなかった。2人は一緒に住んでいるうちに親密になり、萌歌の不幸な境遇を知った米倉は彼女を助けたいと思うようになる。

　一方、町では殺人事件が相次ぎ、米倉は龍造寺の組織の犯行を疑い始める。捜査の手に感づいた龍造寺は萌歌に、米倉のアパートメントから退去するよう命じる。米倉は組織に戻さないように計らい、龍造寺に「彼女と結婚する」と告げるが、龍造寺に「条件として萌歌の兄の債務4000万を弁済しろ」と命じられる。米倉は金策に奔走するが、目標金額には程遠かった。

　弁済および萌歌「返却」の期日。気まずさに耐えかねた萌歌は米倉宅を去る。萌歌が消えたことを知った龍造寺は、彼女の行き先を聞き出そうと米倉を拉致しようとするが、そこに刑事たちが駆けつけ、一味を逮捕しようとする。龍造寺と米倉は「絶交だ」と叫び、殴り合う。戻ってきた萌歌が2人を仲裁し、龍造寺は萌歌を残してしぶしぶその場を去る。米倉と萌歌は抱き合い、アパートメントに入る。