第27話 絡み合う真実ですわ

 リディアの言葉「捨てられる」という予言は、私の心を揺るがせました。彼女の過去に何があったのか、その真実を知りたいという強い衝動が私の中で湧き上がっていました。しかし同時に、その真実を知ることでアレク様に対する私の見方が変わってしまうのではないかという恐れもありました。


 それでも、私は知る必要があると感じました。真実を知ることは、私がアレク様との関係をより深く理解するための重要なステップであると思われたからです。


 そう決心した私は、アレク様に直接話をすることにしました。彼と向き合い、私は強い瞳で。


「アレク様、私は真実を知りたいのです。リディアさんの過去、そして屋敷での彼女の経験について」


 アレク様は私の言葉に少し驚いたようでしたが、彼の表情は真剣そのものでした。彼はしばらく沈黙した後、「エリアンナ、お前が知りたいというのなら、隠す理由はない。ただ、知った後のお前の心の準備ができているか、それだけが心配だ」と静かに答えました。


 私は深呼吸をする。


「準備はできています。どんな真実であれ、私は受け入れます」


 アレク様はそんな私の決意を認め、リディアの過去について話し始めました。


 アレク様の告白に、私は深い驚きを隠せませんでした。彼の言葉は、リディアの過去と彼女が屋敷を去るに至った経緯に新たな光を当てていました。


「仕方がなかったんだ。当時の俺の屋敷はまだ名家ではなく、他の力が必要だった。リディアは、俺の屋敷にいるにはもったいなかった。彼女の才能と、婚約者としての地位を別の名家で活かしてほしかった。だから、彼女には別の名家を見つけるように言ったんだ」


「恨まれてもいい、すべては俺のせいにすればいいと思った。

 だから、わざと冷たい言葉をかけて、彼女を屋敷から離した。そして、その名家がエドモンドの屋敷だったのだ」


 アレク様は深いため息とともに続けました。


 この話を聞き、私もリディアも言葉を失いました。アレク様がリディアを屋敷から遠ざけたのは、彼女の将来を思ってのことだったとは、想像もしていませんでした。リディアの驚きは、彼女がこの真実を知らなかったことを明らかにしていました。


 アレク様が嘘をつく理由がないことは明白で、彼の言葉は真実を語っているように思えました。この告白は、アレク様の過去の決断と、彼が直面していた困難な状況を理解するきっかけとなりました。

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