第73話 歓迎会
自己紹介が始まり、1人1人自分の名前や特技等を言っていく。
彩音さんとサラさんの自己紹介が終わり、うちの事務所に所属する最後のVTuber、
「氷上秋乃。高校3年生。特技はどこでも寝られることとFPS。よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
秋乃さんの挨拶が終わり、これでこの事務所に所属しているVTuber全員の挨拶が終わった。
自己紹介も一通り終わったし、これでやっと歓迎会が始められる。
「これで全員の自己紹介が終わったね」
「そうね。そしたらそろそろ乾杯を‥‥‥」
「ちょっと待って下さい、琴音さん。まだ斗真君の自己紹介が終わってないですよ」
「えっ!? 僕も自己紹介をしないといけないの!?」
「当たり前じゃないか。あの時はバタバタしていたから忘れていたけど、僕達はまだ斗真君の歓迎会をしてないよ」
「その事だけど彩音‥‥‥」
「おっと。琴音さんと2人で歓迎会を開いたって話なら、それはノーカンですよ」
「そうですわ。私達は日常的に弟君と絡んではいますけど、ちゃんとこの事務所に迎える催しは開いていません」
「私も! 斗真の自己紹介が聞きたい!」
「‥‥‥だそうよ、斗真。自己紹介をして」
「えぇっ!? 急にそんなこと言われても、何も考えてきてないよ!?」
「あんまり深く考えずに貴方が思った事を言えばいいのよ。簡単でしょ?」
そうは言われても、このメンバーに対して今更何を話せばいいかわからない。
みんなの期待する眼差しがものすごく辛い。絶対にみんな僕の珍スピーチに期待している。
「斗真君、僕達にどんな自己紹介をするか決めた?」
「はい、大丈夫です」
こうなったらしょうがない。今自分の脳内に思い浮かんだ言葉をそのまま皆に言うことにしよう。
このメンバーには僕の恥ずかしい所はたくさん見られている。今更自己紹介を失敗した所で、笑われることはないはずだ。
「改めまして、神宮司斗真と言います。Tomaという名前でゲーム配信をしていて、この春行われたエベの大会で準優勝をしました。得意なゲームジャンルはFPSです。これからよろしくお願いします」
「それで斗真君、君が最近炎上した件について一言いただいてもいいかな?」
「その話はやめてください!? 炎上した当事者がいる前で、感想なんて言いたくありません!?」
あの時の感想を正直に述べるとすれば、配信が終わった後生きた心地がしなかった。
出来ることなら金輪際あんなことはしたくない。
ななちゃんのためにやった事とはいえ、もう2度とあんな配信をすることはないだろう。
「彩音、あまり斗真をいじめないの」
「てへっ☆」
「そんな可愛らしい表情をしてたってごまかされないわよ。それよりも乾杯をするから、みんな自分の好きな飲み物をコップに注ぎましょう」
「わかりました」
「今飲み物を準備しますから、ちょっと待っててください」
それから僕は彩音さん達が飲む飲み物の準備をする。
全員にコップを渡して、やっと乾杯の準備が出来た。
「それじゃあみんな、コップを持って。乾杯!」
「「「「「乾杯」」」」」
姉さんの乾杯の音頭を皮切りに僕達はコップに入ったジュースを飲み、歓迎会はスタートした。
------------------------------------------------------------------------------------------------
今日の正午を持ちまして、カクヨムコン9が終了します。
拙作をたくさん応援していただき、ありがとうございました。
今後の投稿につきましては、カクヨムコンが終わった後も引き続き毎日投稿をしていきますのでよろしくお願いします。
続きは明日の7時に投稿します。
最後になりますがこの作品がもっと見たいと思ってくれた方は、ぜひ作品のフォローや応援、★レビューをよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます