XX.思い出全てが金継ぎな蛇使い座


「大昔に書かれた小説に影響されるなんて馬鹿だと思われるかな」

 自嘲するような声の三女。

「馬鹿にされてもいいよ」

 立ち上がる長女。

「差別が悪化するかな」

 怯える五女。

「私達だけがやったことにしよう」

 立ち上がる四女。

「恐れられて、敬われて、何もかもを持ってる者が男なのなら、私達は今誰よりも男だよ」

 長女はフードを深く被った。

「顔を隠しても体格で女だってバレるよ」

 七女はマスクをしながらそう言った。

「女があえて顔を隠すかを考えさせなきゃいけない」

 爪を整える六女。

「大人には響かなくていい」

 胸を張る次女。

「私達が未来を作らなきゃいけないんだよ、7個の脳を使って」


 7人は歩いた。あの4人のように。

 7人は愛した。あの6人のように。


「ぶち殺してやろう」



 見所なんてなくて良い。不幸になんてならなくて良い。

 伏線なんて気にするな。

 私達の人生は小説じゃない。


「…カット!オッケーです!お疲れさまでした!!」

 ほざいてろ全人類。

 勝手に見下してな全人類。

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