【短編】終わらない夏休み

結城 刹那

プロローグ

 1学期最後のHR。明日からは夏休みだ。


「げっ」


 渡された資料に思わず困惑した。

 高校でも夏休みの宿題はある。各教科の先生からそれぞれ宿題が出されていたが、まさかHRでも宿題が出るとは思わなかった。


「優香は『日記』嫌いなの?」


 隣に座る親友の雛山花凛が声をかけてきた。彼女はニヤついていた。私が嫌な目にあって楽しんでいるようだ。


「嫌いも嫌い。私の分もやって。明日からはたくさん一緒に遊ぶんだから」

「いやだよ。一緒の内容書いたら、先生に何か言われそうだし」

「しょうがない。適当にやろ」


 担任の先生の長い話が終わり、日直が号令をかける。

 高校2年生の夏休みが始まった。

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