青色の宇宙人はなによりも青を愛している。
玉大福
夏
「誰にも内緒って約束できる?」
修学旅行の夜みたいなこと、急に君が言い出すもんだから可笑しくって。
「もちろん。」
茶化した眼差しでそう答えた。
2人だけの秘め事なんて、数えようと思えば足の指全部合わせたって足りないくせに、って。
「私、実は宇宙人なの。」
真剣なターコイズブルーの瞳の少し下。薄い唇から除く青色の舌先が可愛いかった。
「これじゃあ誰ともキスできないね」なんて笑いながら2人でチョイスしたブルーハワイだったから、私の口の中にも青の乗ったベロがお行儀よく座ってたと思う。
私の笑い声が響く空に、私たちの舌先とお揃いの君の長い髪が靡いて溶けそうだった。
長いようで短い、君と過ごした2回目の夏休み。
31日の間で、夏の青色を背負ったこの日の君が一番綺麗だったのは今でもはっきり覚えてる。
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