第9話   赤い靴

赤い色が好きな彼女は迷わず赤い靴を履いた

似合っていた 


いつも赤い靴を履いてスーパーマーケットに

いった

ピーマン

人参

クックドゥ

買うのはこれだけ

肉は肉屋で


赤い靴でどこでも行った


水族館

動物園

亀の水族館

亀が好きだ

亀の首の皺が特に好きだ


絵描きに恋をした


赤い靴を履いた亀の絵を描いてもらいたかった

赤い靴は彼女の好きなもの

絵描きに抱かれた

絵描きは赤い靴の女の子に夢中なった

絵描きはなんで赤い靴が好きなのか尋ねた

女は言った

あなたが筆を好きなのと同じよ

絵描きは筆を眺めた

ふーん

そう答えた

幸せだった

二人は亀を飼った


絵描きは赤い靴を履いた亀の餌を描いた


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る