1日目 魔虫の巣。
今度の人間はかなり弱いようだ。
虫に襲われて死んだ。
転移してうたた寝をしたところ、耳と鼻から入った虫に脳を食い破られた。
これらはただの虫ではなく魔虫だ。
魔虫は肉以外にも感情と魂も食べる。
そのため、やられたのは脳の運動部分だけで、意識はまだ残っていた。
その後、全身にゆっくり虫が入って栄養豊かな腹部に卵を産み付けられた。
日付をまたぐ前に虫の巣になってしまった。
虫の卵は数時間で孵化し、肉を食いながら顔に向かった。
顔面の穴からぽろぽろと幼虫が溢れた。
無数の幼虫はやわらかな顔面の肉を食いちぎり、ある程度育つとまた肉の残っている部分に戻って
身体が蛹で溢れ始めると、全体が歪に膨れ上がる。
毛穴から順に成虫が這い出た。
成虫は次に生まれる幼虫の餌を探しに飛び回った。
顔の肉が無くなる頃には、そこはすっかり巣箱に変わっていた。
これを全身の肉がすべて無くなるまで繰り返す。
最後まで意識を持続させるために、微量の鎮痛作用のある唾液を塗りつけられていた。
初手で脳に入られた時点で手遅れだったが、複雑に大量の虫が這いまわっている状態では回復魔法でも元の状態に戻すのは難しい。
夜を越した時にはもう顔面と腹部はぐずぐずに解れてしまった。
意識がまだあるようだが、この様子で発見されても保護されないだろう。
何度かくり返したが、眠気に負けるたびに虫に入られ続けた。
少なくとも300を超えていた。
繰り返す起点を変えよう。
どう防ぐか。
魔虫は魔素でできている。
転移の仕方で魔素反発体質になる運命があるようだ。
それを強めに適用してやり直す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます