願いを聞き届けるは英雄の始まり

「ここは?」

聖母の涙を使用すると光が溢れ思わず目を瞑る。

再び目をあけると真っ白い空間にいた。

「グスッ…グスッ…。」

泣き声が聞こえる。

正体は目の前にいた。

白い空間だからこそわかる。黒い髪 黒い着物に白い帯 

あの日武器屋で見た子と同じ。

「あーどうした?」 

「わたし生まれてきちゃダメだったの?

なんで生まれてきちゃダメだったの?

ずっと心をころせって言われてずっと考えることをやめるようにして でもずっと考えることをやめることが出来なくて。」 

意思を封印するって書いてあったけどそういうことになってたのか。

「色んな人が私を使ってころす。私はだれも傷つけたくないのに。」

そういえば店主が言ってたっけな?

「こいつをたくさんの人が買っていくのはいいが途中で泣き声が聞こえるっていってみんな返していった。調べても刀ってだけで止まってるから妖刀って訳じゃないと思うんだが。」 

実際は封印されていただけ 

きっと矛盾の刀は使い続けた結果生まれた名前

傷つけたくないのに戦う道具として生まれてしまって傷つけていくその気持ちが名になってる。

「ねぇ私はどうしたらいいの?」 

「えぁぇ。」

色々言えることもきっとあるんだと思う。

でも、その言葉は全て上部で軽薄で空っぽの嘘の言葉だ。

だからこそなにも言えない。

ふとなぜかあの丘の日を思い出した。

天姫が泣いていてどうにかしたくて

「見ろよ。」

思わず空を指して

「わぁー!」

泣き止んでほしくて指したあの空に僕は憧れた。

「こうせい 空綺麗だね。」

あーそうか

「君の願い僕が叶える。」

「願い?」

「誰も傷つけさせない。産まれてきてもよかったって君が思うように。」

もう君は泣かないように

「本当に?」

「あぁ。」

巴蔵前刀寺 あなたの願いは叶えられない 彼女の意思を叶える。

「ありがとう。」

隠しクエスト:寂しがりと意志をクリアしました

クエスト報酬:「」の刀

クエスト英雄へ至る道をクリアしました

それによ…

ちょちょちょっと待て!公国の防衛がクエストだったはずだ。なのにこのタイミングで

「あなたに問います。」 

「えっ。」

後ろから声がして気づくとチュートリアルの時に聞いた合成音声と共に知らない女の人がいた。

「あなたに問います。あなたの願いはなんですか?」 

「願い?」

「あなたの本当の願いを教えてください。力がほしい?欲しいならどんな力がほしい?なんでもいいのです。嘘をつかないで。もうひとつの人生がここにあるのです。現実では叶わない夢があったとしてここではすべて叶います。この世界はあなたを否定しません。どんなに幼稚な思想も黒に潰された欲望もすべて叶います。さぁ教えてください。あなたの願いは何ですか?あなたは何を望みますか?」

「僕は。」 

あの日あの空をみて憧れた空より先を。

そしてそれは願いになった。

でも…。

「僕は誰かの願いを叶える人になりたい。」

そう僕の最初はここだから。

「僕は誰かの救いになりたい。それが僕のいや俺の願いだ。」

ここは幼稚でもいいらしい。

現実ではできないことだけど、ここは現実じゃない。

仮想なら理想の自分になりきったって構わない。

「それがあなたの願いなのですね。」

「あぁ。」

少しの静寂が流れる。

「素晴らしい とても素晴らしい。

あなた自身がなににも成れるその願いのすべてを他者の願いのために使う。それこそが私がいえ私達が重く思い想ってきた英雄。」

あの時のいやあの時より強く悲願が叶ったかのようにまくしたててくる。

「私は管理者 君達がそして願うもの達が世界と呼ぶもの。コウセイあなたは選ばれた。世界に願うものから願われる立場へと私はあなたを歓迎します。さぁ英雄よ凱旋の時です!」

ユニーク称号 英雄への通行証 は職業 英雄 に変化しました。

そのためユニーク職業 天球魔法師 は世界に返還されました。

ユニーク職業 英雄 の獲得により 称号 願われるもの を獲得しました。

「まずは英雄 目の前にいるのは過去に裏切られ捕らわれたもの その呪縛から解放してあげてください。最初の叙事詩は新たな英雄の誕生です!」

















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