願い
視界に飛び込んだのは真っ白い空間だった。
「ようこそヴンシュオンラインへ。ここではプレイヤー様の様々な設定をおこなうことが出来ます。」
合成音声だけが聞こえる。
「まずは、服装を決めましょう。」
名前はすでに決まっているためいつもだと名前を決めるところは飛ばされる。
「おぉ。」
思わず声がでた。
チャイナ服や一般的な洋服や浴衣などの和服から水着やナース服などコスプレみたいなものまで存在していた。
「あちらの世界では神託により異世界転生してきたものたちということになっております。」
よくある異世界転生モノみたく現実のものがそのままきたとなるのか。
「また服装に関しては未知の物質ということで向こうの人は所持することは出来ません。」
つまりここにある服はNPC達には作れないのか。
「じゃあこれで。」
僕は着物を選んだ。
いつも洋服で和服を着る機会があまりないためゲームの時は和服で過ごしたいと思ったのだ。
「では次に•••。」
と言った感じで次々に僕が作り上げられていく。
「それでは最後の質問です。」
いよいよだ。
「あなたの願いは何ですか?」
この世界での職業が決まる質問。
「あなたの本当の願いを教えてください。力がほしい?欲しいならどんな力がほしい?なんでもいいのです。嘘をつかないで。もうひとつの人生がここにあるのです。現実では叶わない夢があったとしてここではすべて叶います。この世界はあなたを否定しません。どんなに幼稚な思想も黒に潰された欲望もすべて叶います。さぁ教えてください。あなたの願いは何ですか?あなたは何を望みますか?」
少し怖い。
「僕は。」
僕が思い出すのは夜空を見てる光景。いつも届くはずのない空に手を伸ばし続けていた光景。
「星に届きたい。」
いつの日かあの空へ届きたい。
「高く どこまでも高い星に届きたい。」
どこまでも高く!
「了解しました。あなたの願いは私たちが叶えましょう。」
:職業 天球魔法師 を獲得しました。
「それではあなただけの物語を楽しんでください。」
そういって真っ白な空間がなくなっていく。
「えっ チュートリアルとかないの?」
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