26話 ウィーリアと鮫島と



「つまりだな、ここの聖句の解釈はジーテのほうがあっている。

 和のほうは少し歪曲化していて少しひねくれていると言えるな

 それはそうとして、恵、起きろ」


先生はそう言って恵を注意する。しかし恵は取り付く暇もなしに言い訳をする


「怠惰な者は貧しくなる。しかし、勤勉な者の手は富ませる。」


「その説法は泥沼で墓穴を掘るのと同じだぞ。

 「わが子よ、主の懲らしめを拒むな。(つべこべ言わず謝罪しろ)」


「自分を神に喜ばれる働き人として示し、恥ずべきところのない、

 真理の言葉を正しく伝える者となりなさい。

(俺は先生の息子じゃないし、

 解釈を教えるよりももっと教えるべきことがあるはずだぞ)」


「くっそ、今日のところはこれまでにする。解散」


恵に言い負かされて先生は授業を放棄してしまう


「メグやるね、ところで、昼行かない?」

早速近づいてくるジーテ

「いいけど、今日は奢りはなしだぞ。

 ウィーリアと飯の約束だからな」

「あぁ、あのボインと会うの?」

誘いを断られ悪態をつくジーテ


「もうちょっとマシな言い方をしろよ。

 仮にもお前は女だ、上品になれよ」

「あ、ここ最近でようやく女の子って認識してくれたかも」

「ノーコメントで」


_____________________________________


「こっちよお二人さん」

奥の席の方で悠々と待つウィーリアが声をかける


「少し遅かったか?」

「いやそうでもないわよ。」


「なんで鮫島がいるの?メグと二人だけの密談のはずじゃないの?」


「俺だって来たくなかったんだがこいつが…」

苦し紛れに抵抗する

「どの口が言うの?、鮫島。

 筋の通らないこと言わないってあれほど言ったのに」

「ちっ」


ばああああん!

他生徒が多くいるにもかかわらずテーブルを叩きつけるウィーリア

そのギャップから反して発砲音のような音が炸裂する


「ごめんなさいでしょ?鮫島?ん?」

「っく」


(メグこの人怖い)

(ちな、これがボイン辞めろって言った理由の一つな)

(まだあるの?)

(ただ下品だから)


「しょうもない理由で喧嘩売って自分が悪いとなったらダンマリ。

 もしかしてガキなのかしら?ん?」

「すみません...でし..た」


細々と謝罪の意を示す鮫島


「それだけなの?あんなに迷惑をかけたのに?」

「申し訳ありませんでした」


苦虫を嚙み潰したように謝る鮫島


「もう用はないから行っていいわよ、視線が痛いでしょ」

「言われなくてもなっ」


去ると思ったらいきなりウィーリアに殴りかかる、しかし


「甘くてよ?」


パンチを片手でそらし鳩尾をこれでもかと殴る


(メグやばいよこれ、死なない?)

(知らん、手加減はしてるだろ)


「私に勝てるなんて舐められたものですわね。

 吐瀉物がないのが幸いですわ。

 これ運びなさい」


「わかりました」


「さすがウィーリア、対価が高くつきそうだ」

「期待しておくわ、そうだ、

 手が痛いからあなたにで食べさせてほしい気がするわ」

「まさかお前そこまで考えて?」

「いやなの?喧嘩両成敗してもいいのよ?

「くっそ」

「メグ、ごほうび













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