牧師さんの配信生活
水酸化銅水溶液
プロローグ 第三者視点
「ありがとうございました、老師様。相談したらとても楽になりました」
「ほっほっほ、儂はなんもしとらんよ。ただ話を聞いただけじゃ。
そもそも儂みたいなものが若人の悩みに寄り添えるか不安なんじゃが」
「そんなことはありません。老師様は私の悩みを真剣に聞いてくださり、
ちゃんと寄り添ってくださいました。本当にありがとうございました」
白髪が印象的な60~70歳ぐらいに見える老師は微笑んで
「それなら良かった。それではお気を付けて。
神の導きが在らんことを」
よかった。最近の若人の悩みはわからんものよの。
Vなんたらとしての自信なんぞ儂がききたいもんじゃ。
おっと、次が今日最後の羊さんかの。
_____________________________________
「はじめましてですな、不破殿。儂は徳永
今日はどういったお悩みですかな?」
顔立ちの整い、藍色の髪を一本に纏めた女性が答える
「老師様は、Vtuberなるものをご存じですか?youtuberのアニメ版の様なものなんですが」
「もちろん。それでそのVなんたらは知っておりますが」
「実は私、そういった類の企業の社長なんです。先月の会議で新人のデビューが決定
したのですが。最後の一人がなかなか決まらなくて」
「要領を得ませんな。儂は口が堅いので他人に口外することは絶対にしませんぞ」
女性が苦虫を嚙み潰したような顔で答える
「はっきり申し上げますと。私の会社のライバーは女性のみなんです。
しかし今回は男性のライバーもデビューさせる方針になりまして。
ですがなかなか私の眼鏡にかなう人がおらず...」
「新しいことを始めることはいいが。非難や批判が怖いと。
さらにあまたの女人のなかに狼を入れるとなると心配ですな」
「そうなんです。日にちも迫って来ていますがどうしようもなくここへ」
・・・てゆうかさっきの小娘もVなんたらのことだったな
これも神の導きか?まぁそんなことは脇においてどうするかじゃな
女人の中でも理性を保てて、その上であいどるとしての才能を持つとなると
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと待て、いるではないか
「不破殿いい案があります。・・・儂の息子はどうでしょうか。
牧師としての心得を持ち、そして儂の贔屓目を抜いても素晴らしい歌声を持っております。どうでしょうか」
「むす、いえ、ご子息ですか。いやどうでしょうか」
「時間がないのであろう?疑う気持ちもわからんでもないが。
ここは騙されたと思って。どうじゃろうか」
「・・・わかりました。老師様がそこまでおっしゃるのであるならば会ってみます。
場所と日程はこちらからおって連絡します。
あっ、休憩の時間が終わりそうなので会社に戻ってもよろしいですか」
「もちろんです、お気をつけて。神の導きが在らんことを」
__________________________________
水酸化銅水溶液です。よろしくお願いします。
できたら星、いいね、応援をください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます