第6話
私たちが使用する『能力』には、大きく分けて2つのカテゴリーがある。
1つは、自らの体内の細胞とその情報を組み替えることができる『物質系』。
もう1つは、周りの環境に作用する原子の配列を操作して、体外の状態を変化させることができる『精神系』。
私の“能力”である超重力(スーパーグラビティ)は、そのどちらのカテゴリーにも属していない。
正確には、まだどっちの分類か解明されてないって言った方が正しいかな?
私自身、自分の能力についてをまだよくわかってないんだ。
レザックのように“他の物質に”体を変化させることはできない。
ただ、自分の体の“内外”にある『重力』を、自由に操作することはできる。
例えば、こんなふうに。
バッ
レザックの放った液体金属の粒子は、私の体に触れることなく“通過”した。
簡単な話だ。
地面に隠れて戦うつもりなら、地面から出てこざるを得ない状況を作ってやればいい。
超重力(スーパーグラビティ)の“下”で戦うっていうのは、人間が、水の中にいる鮫と戦うようなもんだ。
私は上空に飛び上がった。
範囲5m圏内を無重力状態にし、出力を高める。
狙いは地面。
フィールド全体とまではいかないが、グラビティボムを片っ端から喰らわしてやる。
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