第25話 VF1妖魔~戦いの終りに
『 GA歴八十七年 七月十三日 十六時二分 』
新たな戦いの幕が、静かに上がろうとしていた。
廃工場の片隅、
「
そう声をかけながら、
「ああ、大丈夫じゃ……。じゃが、もう戦う力は……失うた」
かすれた声で返す
「そうですか。……なら、後は任せてください。
「ここで休んでいてください。……行ってきます」
「……死なんでくれ」
その言葉は、仲間を気遣うというよりは――自分が果たせなかった何かを、彼に託すような儚さを帯びていた。
「……はい」
短く答えた
そして一歩ずつ、彼は歩き出す。
その先には、静かに待ち構える少年――
その視線を真正面から受け止め、
「じゃあ……行くぞ。
低く静かな呟きが、場の空気を震わせる。
次の瞬間、
「うをっ……めっちゃカッコいい……」
思わず漏らした
「そうだろ? 俺もそう思う。なんかロボみたいで、ちょっとテンション上がるよな?」
「そんな感じですね……。いいなぁ」
そして――
「……そんなことより、行くぞ」
「来い!『VF1妖魔』っ!」
廃工場に、一瞬の静寂が訪れる。
過去を失った者と、未来を背負う者。
今、その狭間で、戦いの火蓋が切って落とされようとしていた――。
「…… 『VF1』とは、アクセラレーター技術を搭載した次世代型の高速移動体である。
従来の乗り物のように「加速」「減速」といった概念を持たず、力の大きさと方向を瞬時に変化させることが可能なため、静止状態からいきなりトップスピードに達することができる。
また、『VF1』にはタイヤのような接地構造が存在せず、常に宙に浮いた状態で移動する。その挙動は「走る」というよりも、むしろ「飛ぶ」と表現した方が実態に近いだろう。 ……」
「…… ここで、VF1競技について説明しておこう。
VF1レースには、大きく分けて「フルオート」「セミオート」「マニュアル」の三つのカテゴリが存在する。
フルオートは、かつてのF1競技に最も近い形式で、ステアリング、ギア、アクセル、ブレーキといった従来の運転装置を備えており、ドライバーの純粋な操縦技術が問われる。レースは平面構造のサーキットで行われ、車体の挙動も滑らかで、往年の『F1』を彷彿とさせるクラシックな競技となっている。
セミオートは、10〜30個のスイッチによって機体を制御する方式で、それぞれのスイッチには予め「力の大きさ」と「方向」が設定されている。この設定値はレース前に公開され、チームの戦略とドライバーの瞬時の判断力が試される。レースは上空に設けられた立体的なコースで行われ、コース内には上下左右あらゆる方向に人工構造物が設置されている。鋭角なターンを多用するこのカテゴリでは、わずかな操作ミスが進行方向の逸脱や衝突につながるため、事故のリスクが高く、ドライバーの肉体的負担も非常に大きい。
マニュアルは、自然環境の中に大まかに設定されたスタート地点とゴール地点を結ぶ、自由度の高い競技形式である。コースの詳細は事前には知らされず、レース中にマニュアル操作で機体の力と方向をリアルタイムに設定しながら走行していく。設定プログラムはドライバー自身が事前に作成し、走行中にも即時調整が求められるため、瞬発的な判断力と高度なプログラミング能力が問われる。
この競技は、フルオートの滑らかな挙動と、セミオートの鋭角な動き、その両方が要求される、高難度かつ最も自由度の高いカテゴリとされている。 ……」
ついに、戦いが始まった。
『VF1妖魔』が先手を取った。
黒く鋭いシルエットが宙を駆け、
「っぐ……!」
『VF1妖魔』が繰り出す攻撃は、すべてが突発的で、予測不可能だった。
数分も経たぬうちに――
「っく……」
(うわぁ……早すぎですぞ……。こんなの、躱すのは無理ですぞ……)
心の中で
「おらぁ、どうしたぁ!」
『VF1妖魔』の嘲笑が、廃工場内に響く。
(……白い炎。さっき……一瞬、出たやつ……)
記憶の片隅に残る、あのときの白い炎。だが、どうやって出したのかは思い出せない。
「どうした? 亀みてぇに
『VF1妖魔』の声が、ねっとりとした侮蔑を含んで降りかかる。
(……集中しろ。一度はできたんだ……。丹田の……奥の方……)
「そろそろ、弱い者いじめも飽きてきたな」
『VF1妖魔』が呟いた、そのときだった。
(もっと……もっと奥へ……)
「あっ……あっ……あふっーーー」
突如、
燃えるような熱さはない。ただ、静かで――清らかだった。全身を満たしていた痛みが、すっと抜け落ちる感覚。湧き上がるのは、澄みきった意識。
「ふう……なんだ、頭がすっきりしてきた……」
低く、
『VF1妖魔』が動きを止める。わずかに警戒したように、距離を取った。
「……なんだ、お前。その白い炎は……?」
「ああ、『VF1妖魔』か。どうした、もう攻撃はしないのか?」
「お前……口調が変わったな。まあいい、行くぞッ!」
『VF1妖魔』は一瞬で加速し、
しかし――
「……ッ」
そのまま勢いのまま、『VF1妖魔』は廃工場の壁へ激突。鉄骨が軋み、火花が散った。
「ぐぬっ……!」
悔しげな声と共に、『VF1妖魔』は体勢を立て直すが、攻撃がまるで通じない。何度仕掛けても、そのすべてを
「どうした? 『VF1妖魔』。もう終わりか?」
静かに問いかける
「……
『VF1妖魔』が叫んだ。もはや余裕はなかった。
(くそ……攻撃が当たらねぇ。こうなりゃ……あの技しかねぇ!)
「ふぅ……。攻撃がまったく通らねぇ。だったら――必殺技的なやつ、いくぜ!」
妖魔の両腕が再び黒い
「……
「いくぞ……秘儀・
『VF1妖魔』が一瞬で距離を詰め、槍を突き出した――その刹那。
「……甘い」
「これで――終わりだ」
「
白い炎が一斗の拳に収束する。
突き上げたその拳から、白き龍が咆哮と共に現れた。旋回しながら天空へ昇るそれは、まるで天に至る一筋の光――。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
VF1妖魔の身体を、龍の如き白炎が貫いた。
妖魔は炎に包まれたまま空中で激しく震え、そして――
音を立てて、廃工場の床へと落下した。
白い炎はその身体を飲み込みながら、静かに、周囲の空気を鎮めていった。
戦いは――終わった。
「
その足取りはおぼつかず、身体を引きずるようにしながら、白い炎に包まれて倒れている『VF1妖魔』――いや、
戦いを終え、すべてを失った
ようやくたどり着いた
「
そう呼びかける声には、いつになく優しさが滲んでいた。
その声に反応するように、
「……
かすれた声。
「いいんじゃよ。……よく頑張ったなぁ……」
彼にとって
「……ありがとう……ございました……」
今生の別れにしては、あまりに短く、静かなやりとりだった。
けれどもそこには、確かな絆があった。
「
彼の身体もまた、塵となって風に溶けるように、ふわりと消えていった。
* * *
「えっ……『VF1妖魔』は……?」
白炎の消失と共に、
彼はふらつきながらも目を見開き、周囲を見渡した。
「……消えたよ。君が……消したんじゃよ」
表情は微笑んでいたが、声の奥に隠しきれない喪失感があった。
「じゃが、気にするでない。……ワシらはな、覚悟はできておったからの……」
* * *
「止めるです、一斗!」
振り返ると、そこには泣きそうな目で訴える命の姿があった。
「えっ……」
「お願い……その技では、お爺さん……殺してしまうです……」
* * *
「あっ……あぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
全身を震わせ、
そのまま膝を崩し、崩れ落ちるように意識を失う。
「ポッドくん……その子、大丈夫かの……?」
その時、バクマがふわりと宙を滑るように近づいてくる。
彼の姿は相変わらずぬいぐるみのようだったが、優しげに短い手を挙げた。
「はい、
執事のような丁寧な言葉を紡ぎながら、バクマはそっと一斗の傍に寄り添い、宙に浮いたまま見守るように滞空する。
「そうか……ポッドくん、ありがとうな……」
気が抜けたのか――そのまま、彼も静かに目を閉じた。
白い炎が残したものは、勝利ではなかった。
それは、痛みと、
* * *
戦いが終わり、辺りには静寂が戻っていた。
空を見上げれば、夕陽が西の地平線にゆっくりと沈みかけている。
あたたかな橙の光が廃工場の鉄骨を赤く染め、風もなく、ただ時だけが静かに流れていた。
「アドルフ緊急通信――どなたか、ご応答願います」
バクマの声には、いつになく切実な響きがあった。執事然とした口調の奥に、「誰かに、どうか届いてほしい」という強い想いが込められていた。
しばらくの沈黙の後――
「……こっ、
ノイズ混じりの通信から、かすれた声が返ってきた。
「……よかった……ご無事でございましたか、
バクマの声が僅かに揺れた。普段と変わらぬ丁寧な口調ではあったが、その安堵は明らかだった。
「お前か……バクマ。ああ、『抗魔隊』と『遊撃隊』が駆けつけてくれたおかげで、なんとか……妖魔は、全滅させられた」
声には疲労が滲みながらも、確かな手応えがあった。
「左様でございましたか。それは何よりでございます。――こちらも、ひとまず戦闘は終息いたしました」
バクマは宙にふわりと旋回しながら、戦況を淡々と報告する。
「
「……そうか。生きていてくれたか……よかった……」
「さらに――
「……
「――
バクマはわずかに浮遊姿勢を変えながら、冷静に答えた。
「はい。
「なにっ……!
通信の向こうで、
「左様でございます。
「『VF1』……そうか……興梠は『VF1』のメカニックだったな……」
記憶の断片が繋がったように、
「その通りでございます。――
「消滅……」
「……じゃあ、
「はい。
「そうか……」
その一言には、幾重もの感情が込められていた。後悔、納得、憤り、そして――虚しさ。
「他の者たちは!?
急に思い出したように
バクマはほんの一瞬、宙で静止し、やや低めに語る。
「全員……“無事”とは言い難き状態ではございますが、かろうじて――皆様、生きておられます」
「……なに?」
「生命反応は確認済みでございます。ただし、精神的・肉体的損耗は大きく、直ちに応急対応が必要と判断いたします」
「おいっ! バクマ、それを先に言え! すぐに応援を送る!」
その時――廃工場の高所、梁の陰でじっと戦いの一部始終を見つめていた何者かがいた。
黒い
それは羽音すら立てず、静かに翼を広げ、虚空を滑るように飛び去った。
そして、煙のように空気へと溶け――跡形もなく、姿を消した。
* * *
数分後、夕暮れが濃くなり始めた廃工場に、
「おい、バクマ!
すると、ふわりと宙を滑るように現れたのは――バクマ。小さく揺れながら、まるで空気を撫でるように
「こちらに、丁重に運ばせていただきました。皆様、現在はあちらで安静にされております」
いつもの丁寧な口調で、穏やかにそう告げた。
「ん? ……どうやって運んだんだ?」
「えっ? 魔法で浮かせて、でございますが……何か?」
バクマは当然のことを告げるように答えた。ぬいぐるみの目であるが、何か不思議なことでも言ったのかという表情に感じた。
「あ……魔法……あー……そうだったな。うん、よし……!」
理解はできていないが、今さら驚いている時間もない。
「けが人はすぐに運び出せ! 慎重にな、無理はさせるな!」
「
「おう……ん?
周囲を見渡していた
「
泣き声混じりの叫びが響く。そこにいたのは、意識を失ったままの
「……ああ、そういうことか」
「頼む。……それと、
「はい、了解しました」
隊員はすぐに動き出し、鑑識隊員たちはポッド端末を引き連れ現場へと向かった。
夕陽はさらに傾き、廃工場の鉄骨が長く影を落とす中、応援部隊の手によって、ようやく静かな後処理が始まろうとしていた。
* * *
『 GA歴八十七年 七月十四日 十三時 』
戦いから一夜が明け、午後の陽光が穏やかに『
その病室には、
扉が静かに開き、二人の青年が中へと足を踏み入れる。
「
金色の長髪をなびかせ、穏やかな口調で
「こんちわぁ!」
元気な声で続いたのは
「
見舞いに来ていた
「ま、あんなのもいるけどな」
隣で付き添っていた
視線の先には――
「ふっ、ふっ……ふぅっ。ふんっ……兄貴……ふんっ!」
すでに筋トレを再開している
「
「まあ、鍛えてるからな。外傷も骨折も大したことはなかったし、氣で回復を促してる。医者の予想よりかなり早く治ってるらしい」
「へぇ……本当にすごいですね……」
「
「ひどいな、
「私も、もうだいたい回復してるわよ」
カーテンの隙間から
「えっ……あっ、
「……誤魔化したわね?」
「いやいやいや、そんなことは……ありませんって……ははは」
「なんだ、
「あなた、そういうことは……」
「え? ……あ、すまん」
「な、何言ってんだよ親父。お袋もさ……そういうんじゃねぇし!」
そのやり取りのあと、ふと
「それよりもね、
「そうですか……じゃあ、僕が
「そうしてあげて。
「……ん?」
(……ミコのやつ……今、動いたぞ)
「おい、兄貴。ちょっとだけ、俺にやらせてくれ」
「え? あ、うん……いいけど……?」
「
――直後。
「
だが、目の前にいたのは
「ぎゃああああああああ!」
悲鳴を上げる
「うるせえ!」
「いたいですっ! ていうかヒサ兄、今の声はなんです?」
「兄貴の声真似だよ。……嬉しかったろ?」
「まさに“上げて落とす”です。ヒサ兄、最低です!」
「まあまあ、
「そうだ、そうだ」
「でもぉ……」
「
「……良かった、
「ってあれ?
「ああ、
「えっ……
「ううん、そこまでじゃないけど、
「でも、
「はは……
「そんな、情けないなんて……」
「まだ氣が錬れなくてね。
「まあ、それは仕方ないだろ。
「でもな、そろそろ氣も錬れそうなんだ。明日には動けるようになるさ」
「明日ですか……
「ふふ、いいじゃない。そのときは、この“
「え……本当ですか……? マジで……考えようかな……」
「あっ、ヒサ兄、てぇれぇてぇるぅ~」
「こら、
「はい、
――その時、
その周囲には、なぜか薄く
「……ん? ……うわっ!!」
「
病室の隅から、
「ビックリしたぁ! ババアてめぇ、どこ行ってたんだよっ!」
「こっちは上で神事の準備やら何やらで籠っとったんや。なんや、文句でもあるんか?」
「連絡もよこさねぇし……まったくよ……」
「何言うてんねん
「……そ、それは、そうだけど……」
「お義母さん、すみません。家を任せっきりで……」
「
その一言が、戦いの余韻に静かな温もりをもたらしていた。
* * *
目の前には、終わりのない暗闇が広がっていた。空も地もなく、何も見えない。
ただ、冷たく、重く、沈むような空気が彼の身体を包み込む。
「……暗い……なんだ、ここは……?」
足元に感覚がなく、踏み出すたびに宙を泳ぐような感覚。
それでも
──その時。
「
微かに、少女の声が聞こえた。
「え?」
耳を澄ます。心が反応する。
それは、確かに聞き覚えのある声だった。
「
「この声……
心が叫ぶ。身体が、声が、必死に彼女を求めていた。
「……怖いよ、
「
「痛いよ……
「どこだぁぁ!!」
「……
次の瞬間、目の前に現れたのは――
胸元から斜めに裂かれた衣服と、血に染まった白い肌。
無残にも一刀両断された
「
温かくて、冷たくて、壊れそうだった。
「……
その名を震える声で何度も呼んだ。しかし――
彼女の身体は、ふっと白い光の粒となって消えてしまった。
「……あ……」
呆然と手を見つめたそのとき、背後から別の声が響いた。
「……おい、小僧」
その声に、ビクリと肩を震わせて振り向く。
そこに立っていたのは、
暗闇の中でも、その姿だけははっきりと見えた。
「よくも……俺を殺してくれたな」
「っ……!」
「人殺し……」
その一言を残し、
「……あっ……あぁぁぁぁぁぁぁ!」
膝をつき、頭を抱え、絶望に沈んでいく。
すべてが
どれほど時間が経ったのか分からない。
──その時。
闇の天井に、一筋の光が差し込んだ。
柔らかで、あたたかく、包み込むような光。
そして――
「
どこか懐かしく、優しさに満ちた老婆の声が響いた。
「え……
かすれた声で問い返す。
それは確かに、
けれど、確かに“あの人”の声だと心が感じていた。
「
誰とも分からぬ声。それでも、
あたたかさが、闇を少しずつ照らしていく。
それは
「いつか……」
その言葉の続きを、
言葉にはならなかったが、その響きは静かに彼を癒していった。
そして
* * *
夢は静かに終わりを告げ――
薄明かりの病室の天井が視界に広がり、空気の匂いや寝具の感触が少しずつ意識に戻ってくる。
頬に温かいものが伝っていた。涙だった。
なぜ泣いていたのか、自分でも分からなかった。
「……なんだ……?」
無意識に額へ手をやりながら、小さくつぶやいた。
その時――
「おはようさん」
柔らかな声が隣から届いた。振り向くと、椅子に腰をかけた
「……おはようございます、
その声に、微かな安堵が滲んでいた。
その微笑みは、言葉にしなくとも「生きててくれてよかった」と語っているようだった。
(……なんか、変な夢だったな)
(……夢の中に出てきたの、
ぼんやりとした記憶の中、温かい光と癒やしの声だけが残っている。
けれど、その言葉の内容はどうしても思い出せなかった。
ただ、その優しさだけは、今でも胸の奥に残っていた。
* * *
その日の夕方――
迎えてくれたのは、懐かしい家の匂いと、静かな空気。そして――家族全員が揃った食卓だった。
笑い声が響き、箸の音が賑やかに重なる。
誰かが料理を取り分け、誰かが口いっぱいに頬張って笑う。
そして
戦いの記憶はまだ生々しく、心の痛みも完全には癒えていない。
けれど、その夜、
それは、
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