第38話「楽葉原ダブルデート」

週末の土曜日……


私達は約束した通り、楽葉原においてダブルデートを行う事にした。

4人で午前10時に、駅の改札口に集合という約束となっている。


自宅近くまで颯真君が迎えに来てくれた。

スマホが鳴り、私はバスケットボールコートのある、例の公園へ行き合流。


颯真君と手をつないで、いっしょに駅へ行き、

電車に乗って、いくつかの路線を乗り継いで、

少し早めの午前9時45分……楽葉原駅へ到着した。


駅についた瞬間。

『おたく』の私にとっては天国モードへ突入。


うきうきわくわくしてしまう。


さすがアニメとマンガ、ラノベ、ゲームの聖地。


駅中にあるモニターにはアニメの映像が流れ、

看板はほとんどがアニメとマンガ、ラノベ、ゲーム。

掲出されてあるポスターもほとんどがエンタメの内容だった。


ああ、素敵。

ああ、幸せ。


私はあちこちきょろきょろ。

熱中しすぎて、目移りしちゃう。


そんな私を優しく見つめる颯真君。

つないだ手……からは、確かな彼の体温が伝わって来る。


待ち合わせは改札口。


やはり、モニターがたくさんあり、

私と颯真君は手をつないだまま、流れるエンタメの映像を見つめていた。


……付き合う事を決めてから、ず~っと、いろいろ颯真君とは話している。


学校でもいろいろと話すけど、遥、海斗君との4人一緒の場合が多い。


それも凄く楽しい。

仲良しの4人で居ると、仲間意識がとても強くなるし。


けれど、陸上部の海斗君が練習で別行動、私、颯真君、遥の3人で下校。

途中で遥と別れ、颯真君とふたりきりとなって、帰宅までい~っぱい話す。

お互いに相手の事を、もっともっと知りたいから。


そして、帰宅してからも、颯真君とスマホでも話す……

ちなみに私のスマホは、いくらかけても定額料金の契約なので、ひと安心。


ふたりの話題は学校での事から始まり、趣味の話へ。

颯真君の好きなアニメ、マンガ、そしてゲームの事を教えて貰う。

私も大好きなラノベの本を布教する。


そして私たちの故郷の、この街の事を話す……

ふたりで話し、……ふるく遠い記憶に心をゆだねる。


故郷の街の景色は大きく変わり、無くなってしまったものは多いが、

ふたりの心の中に、素敵な故郷の記憶は生きて、共有されている。


颯真君と話していると、昔の街並みがふたりの心の中に、鮮やかに甦って来るのだ。


30分ほど颯真君と話したら、遥にも電話し、同じく30分ほど話した後……

切り替えて勉強、読書、身体のケア、就寝というのが私の最近のスケジュールだ。


さてさて!

颯真君とアニメの映像が流れるモニターを見ながら、遥と海斗君を待つ。


……やがて時間通りに、遥と海斗君がやって来て、4人は全員集合。

楽しみにしていた『楽葉原ダブルデート』が始まった。


今日の楽葉原ダブルデートのメイン幹事はおたくの私。


事前に企画を出し、3人に相談、文句なしの満点OKを出して貰った。

デートの計画を立て、スケジュールを組む事も凄く面白い。


と、いう事で……

まずは、アニメ、マンガ、ラノベを扱う本屋さんへ。

そして同じくアニメショップへも行く。


ランチは、大ヒット中である大人気アニメのタイアップカフェ。


今回は感謝を込めて、遥と海斗君にごち。

ふたりには好きなカフェメニューを選んで貰った。

私と颯真君も好きなカフェメニューを選び、楽しく食事をした。


楽しく食事をした後は、大型ゲームセンターへ。


ゲームセンターではパズルゲーム、格闘ゲームをカップル対抗戦で盛り上がる。


クレーンゲームも燃えた。

少し予算オーバーしてしまい、遥とふたりで、てへぺろ。


一方、颯真君と海斗君の男子組は意外にもクレーンゲームが大得意。

たった1回で、私と遥がリクエストした商品をゲット、プレゼントしてくれた!


当然、私と遥は嬉しくなってVサイン!


その勢いで、ゲームセンターと同じフロアにあるカラオケで熱唱。


歌い疲れたら、ゲームセンターを出て、散歩を兼ねた気分転換に、

楽葉原最寄りの、大好きなアニメのロケ地巡り、すなわち聖地巡礼もした。


最後には、違うアニメのタイアップカフェに行き、

4人で楽しくお茶をしてデートは終了。


こうして私は、生まれて初めてのデートで、

最高に楽しい1日を過ごす事が出来たのである。

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