(二)-9

 二人で文化祭を回るより、拓弥は先に翔太に会いたかった。そのため丈のことをそのまま放っておいて、拓弥は劇が上演される会場へ向かった。

 チケットには「星光ホール」という場所で開催されるらしい。屋台が軒を連ねるキャンパスの大通りを歩いていき、奧の方にそびえ立つ大学の建物を見つけた。美麗なガラス張りの建物だった。

 ちょうど建物の前に看板が出ており、そこに「星光タワー」と書かれていた。

 確かに上を見ると、このガラス張りの建物は全体として四、五階建てであったが、その手前の部分だけ他の部分よりも突き出て高くなっていた。七、八階建てくらいはあるように見えた。確かにこの近隣からすれば「タワー」と称するのにふさわしいかもしれない。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る