(二)-6
拓弥は無言で応えながら、床の上に落ちているバスタオルを掴み上げて濡れた体を拭いた。
「今日は出かけるって言ってたわよね。また例のお友達とデート?」
拓弥は「デート」という単語に反応して動きが一瞬止まった。しかしすぐにテレビ台の隣のプラスチック製のチェストの上から二段目からグレーのボクサーブリーフを取り出して足を通した。
「まあ、いいわ」
実奈美はそう言ってベッドから半分ずり落ちた掛け布団を掴み上げて自分の体の上に掛けた。
拓弥はベッドの中の実奈美にジッと見つめられながらシャツを着て靴下を履き、ズボンに両足を通すと、無言で部屋を出た。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます