バケモノ夫婦

「妻を探してまして。見かけませんでしたか」

妙な男が深夜、俺の家に尋ねてきてそう問いた。俺は、すぐ男を追い返した。美人な女を攫った事がバレたら嫌だ——ん? 拘束した女をよく見ると、頭から狐耳が……。


「返してもらおうか」

妙な男が狐耳と尻尾を生やし、いつの間にか女の傍に立っていた。

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