詩集

三浦彩緒(あお)

記憶

流れゆく、流れゆく

花びらのせて、流れゆく


流れゆく、流れゆく

魚とたわむれ、流れゆく


流れゆく、流れゆく

光とおどり、流れゆく


流れゆく、流れゆく

脚元あしもとこちょこちょ、流れゆく


流れゆく、流れゆく

落ち葉をのせて、流れゆく


流れゆく、流れゆく

雪とまじわり、流れゆく


ある時代とき、わたしはくれない

ある時代とき、わたしは透明とうめい

ある時代とき、わたしはどろんこで


そんなふうを、繰り返し


流れゆく、流れゆく

流れゆく、流れゆく


ああ、やっと、逢えたのですね


ああ、やっと、られますね


ああ、やっと、わたしも、笑って逢えましたね


あれは、いつのあなたかしら


あれは、いつの時代ときかしら


あれは、いつの記憶かしら


わたしだけが、知っている














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