第13話 肝試し
それから軽い点呼の後、夕食の時間である。三日月旅館はバイキング形式を利用しており、最悪、自由時間で食べ歩きしすぎた人にとっても優しいシステムだった。
僕たちの班のメンバーはそんなに食べてないので、食べまくっている。すると、
「はーい、ではここで、次の予定を説明します〜」
楠木先生がマイクを持って前で喋っている。
「この後、20時から肝試しやります! これは絶対参加ではないので、やりたい人だけ来て下さい! やらない人は旅館内にて、自由時間となります! 旅館の温泉は20時から開放してるみたいなので、温泉に入れてない人やまだ浸かりたい人、肝試しに参加した人は入るようにしてください! 就寝時間は22時30分です。それまでに歯磨きとか全て済ませておいてくださいね。 では、お礼の挨拶を2年2組、木野くん、お願いします!」
そして、陽キャそうな奴が出てくる。
「この度は………………ありがとうございました!」
まぁ、どうでもいいとか言っちゃダメだけど正直どうでもいいので、軽ーく聞き流して、拍手だけはしておく。
それから、ご飯を食べながら、
「肝試しはどうする?」
「そうだな、僕としては…」
「私は行きたーい!」
そこに桜田さんが混ざってきて、結局班のメンバーで話すことになる。
「いや、割り込まないで…」
やっぱり言葉が出る、何でこの人とは喋れるようになったんだろ?
「ごめんごめんー、それで? 美優ちゃんはどう??」
「うん、せっかくだし行こうか」
この時、三日月さんの足は震えていたのに気付いたのは僕だけだろう。
それから8時になり、肝試しが始まった。好きな感じにグループを作っていく感じである。2人以上が最低条件のようだ。
「じゃあ、グッパしようぜー」
「おけー」
「「グッパで別れー!」」
「よろしくね。鳴釜くん」
僕のペアは三日月さんである。
ほんとさいこっ!
ビビらないようにして、かっこいいところを見せるんだ! そして、ちゃんとリードして連絡先を交換! 我ながら完璧! フォー!
「こちらこそ、よろしく! 三日月さん」
僕はニコッと最高の笑顔を作った。
「次の人どうぞー」
知らない先生が言う。
「んじゃあ、先行くねー」
「じゃあなー」
そう言って2人で出ていった。
それから約2分後、
「じゃあ次の人どうぞー」
「じゃあ行こうか」
「…うん」
そう言って僕たちは歩き出す。ルート的には三日月旅館の裏にある神社の参道を通って神社に行き、別の道から降りてくると言った感じである。
神社の参道の奥に入るに連れて、どんどん光がなくなっていく。
そして急に、
ガサガサ
と、草むらが揺れる。
「キャッ!」
そう言って僕の腕にしがみついてくる。
やべー、ちっか…。めっちゃいい匂いする…。
もはや別の楽しみ方になってしまっている気がするが。
「大丈夫?」
「なんかいるっ! あそこ!」
三日月さんはガクガク震えてながら、参道近くの草むらを指差す。
「そんなわけないでしょ…、え!?」
そこには確かに人影っぽいものあった。
途端に僕も恐怖を覚えてしまう。
すると、その人影が、
「びっくりした?」
と、聞き覚えのある声で喋りかけてくる。
「楠木先生…」
コミュ障な僕もなぜかこの時は腹が立ってか、喋れた。
「あら、鳴釜くんと、三日月さん? 仲良かったのね。それに、初めて先生の言葉に言葉で返ってきた。嬉しいわ」
シクシクとなく演技を見せる先生。
「それなら良かったですよ」
そう言い残して、先へと進む。
三日月さんはずっとそのままで離れなかった。どうやら、
「ごめん、怖くて無理。このままにさせて」
と、言うことらしい。僕としてはむしろ大歓迎なので、凄く楽しんだのだった。そして、神社を過ぎ、無事、旅館に生還したのだった。
それから旅館内のお風呂の時間である。もちろん僕らは温泉に入りに行った。相変わらず気持ちよかった。
それから、
「ねぇ、せっかくだしちょっと卓球しない?」
フルーツ牛乳を飲んでる桜田さんがそう言い出す。
「おー、いいね」
颯太も乗り気だ。僕と三日月さんも頷いた。と言うことで、卓球をすることになったのだった。
〜後書き〜
どうもこんばんは! ともともです!
肝試しの話でした!
蒼は、桜田さんに続き先生と喋りましたね! これからどんどん喋れるようになっていって欲しいですね! 修学旅行はまだ続きますので、お楽しみに!
この小説の続きが少しでも気になった方は作品のフォロー、応援、応援コメント、お星様評価をよろしくお願い致します!
これからもこの小説をよろしくお願い致します!
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