11月11日と11月11.5日

京極 道真  

第1話 時間空間操作 カレンダ11月11日

今日の今。僕は11月11日の僕だ。

明日、今日の僕をやりたくてもできない。

「当たり前だ。」ヌコが言う。


明日11月12日。僕のサッカーの試合はない。

今日の今。この地に立ち、ゴールを狙う。

僕のキック。ロングシュート。外す僕。

時間が無い。


明日、今日の僕をやりたい。

今日の時間を明日もう一度。

「できない。」僕が言う。


「できるさ。」ヌコが言う。

時間の概念を捨てれない僕はヌコの言葉を信じない。


ヌコは続ける。

「時間は一方向。今日の11月11日は左から右。

その少し上に11月11.5日が存在する。

少しだけ背伸びをすればいい。時間の流れは一つではない。

少しだけ背伸びをすれば、11月11.5日 

0.5日分走り抜けたら

君のシュートはゴールをとらえる。


時間の概念を捨てれない僕がいるが。

0.5日分だけ走り切ろう。

時間を超えることができそうだ。


ヌコは僕の目の前から「スーッと」光とともに消えた。


残りの時間。カウントダウンが始まる。

走れ。走れ。

今、僕は時間を超える。

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