11:俺は手を伸ばした
空と一緒になって走った。
そう。空と一緒に。
だからこそ分かるんだ。
空が俺の為に一生懸命になってくれてるのは見てたら分かるんだ。
だからこそ空もこうして一緒に走ってくれてるんだろうしさ。
――でも。
どれくらい走ったんだろうか。
俺の前を空が走ってる。
俺のことを導くように。
そしてそんな空が時々、振り返る。
俺がちゃんといるかどうか確認するのに。
――ほら、また振り向いた。
でも、ごめんな。
俺、もう駄目みたいだ。
空が遠くなってくよ。
立ち止まって、
俺は手を伸ばした。
高い高い、そして遠い空へと。
俺の手は空には届かないけれど、
本当に触れたい空には届かないけれど、
だけど、ありがとう、空。
俺に気付いてくれて、ありがとう。
俺に生きたいって、
思わせてくれてありがとう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます