(3)

「うそだろ……」

 城壁で囲まれた、この都市まちと外を繋ぐ門の1つ。

 そこまで辿り着いたは良いけど……。

 またかよ……。

「た……すけて……」

「ころして……くれ……」

 「暁の騎士」イキールと同じように、半人半魔と化した元・冒険者が……今度は複数人。

 あの時と同じように、頭には「呪われた作り物の角」を埋め込まれ……筋肉が異常に肥大化して……とんでもない量の闇のオーラを放ちながら……。

 またしても、肥大化し過ぎた筋肉のせいで、逆にロクに動けなくなり……戦士系らしいのは武器を、魔法使い系らしいのは「魔法の杖」を足下に落して……でも、足下に落ちた武器なんかを取る事さえままならないようだ……。

 顔には、とんでもない苦痛の表情。

 魔法使い系も、その苦痛で魔法を発動するのに必要な精神集中が出来ないっぽい。

 前回と同じなら……殺すのに何日もかかるだろう。

 僕は、すごすごと……道を引き返す。

 この都市まちと外を繋ぐ門は他にも有る。

 そこから出ればいいだけだ。

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