第25話 飛行スキルと結界魔法
「これはいったい…?」
歪んだ空間をみながらそう口にしたのはミーナちゃん
「あぁ、これは俺の魔法で、ここをくぐると外へ出られるんだ」
「へぇーそうなんですか?でも空間魔法だったらこんな風にならないし…どの属性魔法なんですか?」
「んーオリジナルの魔法とだけ言っておこうかな」
「そうなんですか!ミツキ様はすごいんですね!」
「それじゃ行こうか、先にくぐってみて」
そう促すとミーナちゃんは歪んだ空間をくぐって行った。俺も後に続く
外へ出るとミーナちゃんが辺りをキョロキョロ回していた
「へぇーここが国境かぁ~」
「国境にはきたことないの?」
「はい、基本的に部屋から出してもらえなくて街に来たのだって初めてだったんです。」
「そうなんだ」
なるほど皇女は色々大変そうだな。この歳で礼儀正しいし色々勉強とかさせられているんだろうな。
「ところでミツキ様、あそこはなんで穴ができてるんですか?」
「い、いやぁなんだろうねあれ?さっきまではなかったはずなんだけど…い、隕石でも降ってきたのかな?」
「隕石ですか?」
「ああ、うんなんでもないよ、気にしないで!それより帝国に向かおうか」
「はい!」
ふぅーなんとか誤魔化せた。ファイヤーボールであんなクレーター作ったのが俺だって知られたら怖がられるぞ多分。
それよりこの世界の人は隕石を知らないのか?
、、、まぁいいか
そうこうしている内に砦の前まで来た
俺は門番の人に話しかける。
「あのーすみませんここ通りたいんですが…」
ちなみにミーナちゃんには俺のフード付きローブを被ってもらってる。騒がれても面倒だしな
「今は誰も通せないんだすまない。引き返してもらえるか?」
ん?なんで通れないんだろう理由をきいてみるか。
「なんで通れないんでしょうか?」
俺がそう聞くと
「実は…詳しくは知らないんだがこの街に来ていた皇女が誘拐されたらしくてな。今その皇女を捜しているみたいで、砦に来た奴は追い返せと言われてるんだ。すまないね。出直してくれ」
そう言われ俺はミーナちゃんを連れ、「わかりました」とだけ言って来た道を引き返す。
「ど、どうしましょう…私のせいで…」
歩いてる途中そんなことを言って来た。
まぁ対処出来るから引き返したんだけどね。
「気にするな、なんとかなるから」
「本当ですか!?」
「あぁ本当だ、それじゃあ手を握ってくれるか?」
「ふぇっ!?」
俺は手を差し出しながらそう言ったが…どうしたんだ?そんなに驚いて、しかもなんか顔赤くしてるし、まぁいいか
「いいから握って」
「は、はい」
恥ずかしそうにしながらも手を握ってくる。
「それじゃちゃんと握っててね。スキル飛行発動」
「へ?」
そう言って俺はミーナちゃんの手を握りながら上空二百メートルまで上がる。
「わ、私今、空を飛んでます!すごいですね!ミツキ様!Lv8の風魔法を使えるなんて!」
ミーナちゃんは空を飛びながらはしゃいでいる。
ん?今Lv8の風魔法っていったか?俺が使ってるのはスキルなんだが。飛行ってそんなすごい代物だったのか…Lv8と言ったら特級魔法だしな。
「あぁ、一応使えるぞ」
空と平行に飛び、砦を目指しながら空を移動する。
スキルを使っていることは知られると若干マズそうなので濁しておく。
「でもなんか…気が引けますね忍び込んでるみたいで…」
「まぁこの際仕方ない、あまり気にしないで行こう」
「それもそうですね。今は空の旅を楽しみます!」
そう言ってミーナちゃんは辺りをキョロキョロしている。
(楽しそうでなによりだ)
そんなことを思いながら進んでいると砦の上を通過して街の上空についた。俺はここである提案をする
「ミーナちゃんこの街をこのまま通り過ぎるけどいいかな?皇帝も心配しているだろうし、早めに帝都に行きたいんだけど」
「はい、大丈夫ですよ」
「じゃあスピード上げるね」
スピードを上げるとなると風を塞がなきゃならないな
魔法でどうにかならないか?結界魔法とか使えればいいんだけど、試してみるか。
(無属性のバリア、俺とミーナちゃんの前方を覆うように半円形、強度はオリハルコンをイメージして…発動!)
(結界魔法Lv6【超結界】を習得しました。)
よし、できた!イメージした魔法がすでにあるとその魔法を習得出来るのか。
それにしてもやっぱり〈成長加速〉はチートだな。
ちなみに結界は半透明になっていて、うすく結界が見える。
「これはなんですか?」
その結界を指差しながらミーナちゃんが聞いてくる。
「結界魔法だよ。風除けのためにね」
「結界魔法ですか!やっぱりミツキ様はすごいですね!どこかの魔導師様なのでしょうか!?」
ミーナちゃんがそう勢いよく聞いてくる。
「いやそんなんじゃないよ、只の旅人だよ」
「そうなんですか…?こんな旅人さんいたらこの世界大変ことになってると思うなぁ…(小声)後で魔法教えてもらおうかな…(小声)」
小声で何か独り言を言っているが聞こえないので俺は出発を促すことにする。
「それじゃミーナちゃん行こうか!」
「はい!」
元気の良い返事が返って来て、俺とミーナちゃんは街の上空から出発した。
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