第6話

夢中で両乳首をしゃぶるうち、徐々に冷静さを取り戻した。


『彼女を楽しませてあげなきゃ。』


左右のおっぱいの間と、おっぱいの、乳房の左右の下あたりを舐めている時、グレープフルーツの香りがした。そこあたりに柑橘系のフレグランスを吹き付けているのだろう。

敏感な部分ばかり刺激しても気持ちよくはならない。彼はおっぱいの弾力を楽しみながら、あちこちを舐めまわした。そして乳首にまた吸い付く。ベローンと舐めると彼女の反応は良いようだった。その度に可憐に揺れる乳首が可愛らしかった。


彼女の胸を、おっぱいと乳首を、しっかり堪能したところで一端離れた。


「ハアッ、ハアッ、ハアッ」


彼女も彼も息が荒かった。すこし落ち着こう。彼は頭を離し、座り直した。

彼女もコートの左右を引き寄せ、胸だけを隠した。


スクリーンを見ると、官能的なシーンが始まっており、結構生々しい。そうか、こんなシーンがあったのか。彼女を見ると、目を輝かせてスクリーンを観ていた。

彼は思いたって、席から滑り降りると、しゃがんだままの姿勢で自分の席を畳んだ。そして、その姿勢のまま、また彼女の両足を触り始めた。彼女はスクリーンを見つめたまま、この雰囲気に酔っているようだった。


彼はミニスカートの奥へ手を進めた。骨盤のへこみを少し押したり、なでたりしながら中心部へと指先を進める。柔らかな恥丘をなで、恥骨にたどり着く。彼女がその動きに答えるようにそっと、少しだけ足を開く。そして二つの膨らみと中心部に少し出っ張りを感じながら下着が食い込んであいるスジに指を這わせた。


『わっ。』


そこはもうグジョグジョになっていた。熱く少し粘り気のある液体で下着は濡れている。ピッタリと張り付いたショーツ越しに指が入りそうなほどだった。彼女の顔を見上げると、いたずらっ子のような表情で笑っている。彼は、しゃがんだまま彼女の両足の間に身体を割り込ませた。彼女は少し抵抗したが、両肘を肘掛に乗せ体重を支え足を開き、結局迎えてくれた。そこで彼は両膝をついて彼女の下腹部全体を抱え込むような姿勢になった。また股間にもどり、下着越しに触り続けた。もうそこはヌルヌルで、少しショーツの端から指を這わせると、彼女は背をのけ反らせて感じていた。

そして、彼はやっと気づいた。


彼女は、股間部分がパックリ穴が開いているストッキングを履いていた。よく見ると、その上からショーツを履いている。つまり、ストッキングを脱がずにショーツだけ脱げるのだ。驚いた彼が見上げると、彼女は先ほどと同じ悪戯好きの顔で笑ってこちらを見つめてくる。


『なるほど、このことで笑いかけてたのか。』


彼も笑顔を返した。

そして、彼はショーツを脱がせるため両手を彼女の腰の上の方へ延ばし、ショーツの上端を見つけるとそこを掴んで引き下ろし始めた。彼女も腰を浮かせて協力してくれたおかげで、スムーズにショーツは引き下ろされた。そのまま足首まで下し、右足を持ち上げると、ショーツを通して左足だけがショーツを通っている状態にした。そして今度は引き上げて、左足太ももの中間まで持って来てそのままにした。


彼女の腰を掴むと、座席の前の方までぐいと引っ張った。ミニスカートをたくし上げ、足を開いてその部分へ顔を寄せた。


むわあっと湿気を感じた。生々しい女性の愛液の匂いに混ざって、何か花の香がする。ここにも香水を吹き付けているのだろうか。彼は、そーーっと舌を延ばし、クリトリス周辺を優しく舐め始めた。彼女の内ももに力が入り彼の胴体を締め付けてきた。彼女の足を抱える形で左手を股間まで持ってくる。左手でクリの上を押すようにひっぱると、クリトリスが可愛いく頭を出した。すでに充血して真っ赤になっている。小豆大のその突起のその周辺を円を描きながら舐めた。突起そのものも、やさしく、強く、ベロン、ベロンと舐める。彼女の足がそのリズムに合わせてグッグッと力が入る。突起に吸い付き、吸いながら舌でレロレロレロと舐める。彼女の両足が跳ね上がり、両手で頭を抱え込まれた。


丁度良いタイミングで、スクリーンからも激しい喘ぎ声が聞こえてきた。目の前の彼女の可愛らしく漏れる声と、スクリーンの男女から聞こえる激しい喘ぎ声で、彼は現実とは思えないほど頭の中がトリップした。


『なんと淫靡な空間だろう。遠くから聞こえるSEXの音と、目の前の可憐な女性のSEXYな映像に声、聞こえる体液の音。今、本当に自分は変態的な空間にいて、それを存分に楽しんでいる。』


チュッジュルッ、チュッと音がする。一度息継ぎをし、何度か呼吸をしてまた吸い付きながらレロレロと続けた。彼女は右手の甲を口に強く押し当て、声を押し殺している。彼は右手で、今自分が舐めているすぐ下の膣口付近を触り始めた。ほぐすまでもなく、そこは開いていた。中指全体に愛液がからむと、そのまま中指を進める。

すーっと抵抗なく指の付け根まではいった。指を上に向け、膣内の天井を優しくなでる。足の締め付けが一層強くなった。


「うっ、うぐっ!、うっ!」


指の動きに合わせて彼女の呻きが漏れ聞こえる。一度中指を抜いて一指し指にも愛液をたっぷりとからめ、中指に添えて二本の指をまた差し入れる。膣内がなじむのを待ちながらゆっくりと入れる。またクリトリスに吸い付きながら舐め、膣内の右壁、左壁、下側の壁と優しく強めになぜた。彼女の身体全体がリズムに揺れる。そして膣内の天井部分を撫でさすった。膣口から入ったすぐ上のあたりがGスポットのようだ。そのすこしデコボコとした部分を集中的に押しながらなでた。

スクリーン上の男女もクライマックスのようで、一段と喘ぎ声が大きくなっていた。

顔全体が愛液に濡れた。しょっぱさが段々薄れてきた気がする。奥からドンドン溢れ出てくる愛液は限界知らずのようだった。舐めるリズムを指のリズムを合わせて数分経った頃、


「っ!くっ!うううう!・・・・・・!!!」


プシャ!プシャ!と顔面に潮が吹きつけられた。

彼女が彼に両手両足で抱き着いたまま頭を上げたまま痙攣した。しばらくそのまま二人とも動かなかった。


『イっちゃったな。』


ここで一休み、とばかりに彼は彼女のミニスカートを直すと自分の座席を下し、さっと腰かけた。膝が痛くなっていたが、物凄い達成感だった。


『やった・・・・。彼女をここでもイかせた・・・・。』


しかも、上映中の映画のシーンに合わせて。主人公の二人が絶頂を迎えると同時に彼女もイった。彼女が望んでいたのは、これだったのかもしれない。

彼は余韻を楽しんだ。彼女もしばらく放心状態のようで、ボンヤリとしていた。左足の太ももにはまだ、ショーツがクシャッとなった状態でくっついている。彼はウェットティッシュを取り出し、彼女の胸を拭いた。自分が舐めまわしたあたりをよく拭いた。まだ彼女の乳首はピンと隆起しており、ウェットティッシュがあたるとビクっと動いた。そして自分の顔面も拭いた。彼女の愛液で顔面がべっとりしていたのを丹念に拭いた。


「ありがとう。」


彼女が小声で言った。うんうん、と彼女に見えるように彼は頷いて応じた。映画は、結局、色々あった夫婦が、紆余曲折を得て一度別れ、お互い年をとって再会し、また恋人に戻ってやり直す、といった内容のようだった。そろそろエピローグのようだ。様々な関係が、あるべき場所へと収まっていく。

場内が明るくなる前に、と思い彼は彼女のショーツを直そうと向き直った。彼女は、右手でそれを制すると、左足からショーツを引き抜き、ハンドバックから新しいショーツを取り出した。彼はそれをそっと取ると、また跪いて彼女に履かせた。彼女はまるで小さな子供のように応じた。右足を上げ左足を上げ、腰を浮かせてショーツを履かせる彼に協力した。そして、彼に抱きついた。急なことに彼は驚いたが、彼女の態度をうれしく思い、ギュっと強く抱きしめ返した。


ややあって、彼女が聞いて来た。


「今日、この後って空いてます?」


彼はこの質問自体に驚いたが、慌てて答えた。


「大丈夫です。うさ吉さんのために空けてます。大丈夫です。」


それを聞いて彼女はふふっと笑って続けた。


「もっとしましょう。もっともっと。」

「もっとしてください。私も、もっと色々したいです。」

「つきあってくれますか?」


セリフは変態行為のお誘いだが、彼女はあどけない少女が切実なお願いをしているかのような表情だった。


彼は天にも昇る気持ちで答えた。


「もちろん。もちろんです。もちんろんです!」


スクリーンではエンドロールが始まり、2人は強く手を握ったまま場内が明るくなるのを待った。2人共、手はじっとり汗ばんでいたが平気だった。彼は、早くも次の暗闇が待ち遠しかった。



END

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