第3話 SF『正す』


 国が独自開発したAI『SALisaサリサ』は、世界的にみても優れた知能と機能性を発揮し、国を急速に成長させていった。


 『SALisa』が構築した教育プログラムにより、就学生の偏差値は世界最高レベルにまで成長。

 また、教職員の負担も軽減され、人材不足・残業過多などの労働問題も解決された。


 全国の医療施設に、患者個人の生体プログラムを管理・監視するロボットを導入。

 それにより、国内の死因では『病死』が1%以下となった。


 公私かかわらず、全ての屋内外に『SALisa』搭載のセンサーカメラを設置し、全国各地の事故・事件が記録されるようになり、交通事故による死者数・犯罪検挙率は、ともに過去最低を大幅更新し続けている。


 最初こそは、野党や国民の痛烈な批判を受けたが、現代において、これに不満や怒りを表す者は存在しない。

 たった一人────『SALisa』開発責任者を除いて。






(仮タイトル『正す』)

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