10000回PKされた俺、ゲーム内で一人だけの『魔族』に転生を果たす〜魔族達との訓練でスキルを極め成り上がりPKプレイヤー達に復讐してやる〜

ゆきや

プロローグ 魔族への転生

魔族への転生

 あの日から俺のゲーム人生は変わった。そう、あの日を境に全てが変わっていくのを肌で感じてる。


「また懲りずにやってきたのかハルト、今日もお前をPKして経験値稼ぎといくか」


「なんで俺ばっかりPKするんだよ......俺はただこのゲームをプレイして狩りをしていただけじゃないか」


「それが気に入らないんだよ!お前のような雑魚野郎は家で寝てろ!


 最新VRMMORPGオデッサイト、発売されてから半年が経過した。俺は発売日からプレイしているが、ある日一人で狩りをしていたところPKプレイヤー達の標的にされてしまった。それが全ての始まりだった。

 ゲームの仕様上、プレイヤーを倒せば経験値は入るし、モンスターを狩るよりも楽な場合もある。

 PKプレイヤーを倒すと装備が1つとスキルが一つ貰えることになっているが、そもそもPKプレイヤーを倒すのは俺にとっては難しい。PKプレイヤーにキルされる、つまり殺されるとデスペナルティが発生する。デスペナルティは所持金とステータスダウンだ。

 もう俺のステータスはオール1、所持金も0で何も買うことができない。俺が今持っているのは初期装備だけだ。

 そして俺は今日もPKプレイヤーにキルされ、またデスペナルティを受けてしまう。

 またPKされた、これで10000回目、モンスターを狩りにもいけずPKされ続けてる。


「もう、このゲームやめようかな、PKされ続けるだけで半年近く、やっぱ俺には向いてないのかな」


 俺はゲーム機の電源を落とそうとした、その時


 ーー10000回連続PKでデス達成。条件を満たしました。魔族への転生を始めますーー


「なんだ?魔族ってなんだよ?このゲームでそんな種族選ぶことできないはずだけど......」


  ーーあなたの種族は魔族となります。ステータスをご確認くださいー ー


 名前 ハルト(魔族)

 LV1 HP1/10+50 MP1/35+50 ATK2+50 DEF3+50 INT2+50 MDF3+50 AGI5+50 LUK1+50

 パッシブスキル 魔族の復讐 (LV1):魔族専用スキル。魔族以外の種族に10倍のダメージを与える。与えるダメージに追加で50のダメージが付加されます。


  復讐に燃える者 (LV1):体力が0になる時1で踏ん張り攻撃力が2倍になる。


 デーモンスキン: 魔族専用スキル。自身のMDFに比例して被ダメージを減らします。


  称号 孤高の魔族: 全ステータス+50


  初代魔族プレイヤー: 魔族からの好感度が最大になる。魔族に対する信頼度が向上し、特別な報酬が獲得できる。


  古の魔王の息子: 全ての能力上昇が10倍になり、特殊なスキルを得ることができる。ただし必要な経験値量が3倍になる。


  スキル ダークブラスト (LV1): MP-5 クールタイム 3秒 ダークエネルギーを集めて放つ攻撃魔法。相手に闇属性のダメージを与える。


  ブラッドラスト (LV1): MP-6 クールタイム 35秒 相手からHPを吸収するスキル。ダメージを与えながら自身のHPを回復できる。


  ダークシールド (LV1): MP-10, クールタイム 15秒

 ダークエネルギーで作られたシールドを展開し、一定時間DEFを大幅に上昇させる。

 

「なんだこのステータス......LV1でこのスキルの量、しかも上位ランカーでも一つ持ってたら強い称号を3つも、魔族ってこんな強いのか?」


  ーー転送を開始しますーー


 システムの声と同時に俺の体は光に包まれ、転送された。

 目が覚めると俺は見たことない城の前にいた。

 俺はその場に立ち尽くし、自分の変わった体と新しいステータスを驚きながら確認していた。魔族に転生したことが信じられなかったが、俺の体と称号、スキルは明らかに魔族としての力を示していた。


 周囲には何もなく、俺の前に広がるのは大きな城だけだった。城へと近づき、扉を開けると、中には不気味な雰囲気が広がっていた。暗闇の中、赤い炎が明滅している灯りだけが頼りだった。

 城の中を進んでいくと、不気味な声が聞こえてきた。それは城の奥から漏れるようにして聞こえてくる、何者かの声だった。


「ようこそ、ハルトさん」


 声の主はどこからともなく現れ、不気味な笑みを浮かべていた。彼は黒く艶やかな髪を持っており、その髪は彼の肩に優雅に垂れている。髪の一部は前髪として額に掛かり、瞳を隠すことなく顔全体を引き立てている。その瞳は深い赤色をしており、一瞬で相手を魅了するような輝きを秘めてる。


 彼の背は非常に高く、周囲の人々よりも目立つ存在だ。その長身は彼に優雅で品のある雰囲気を与え、彼の立ち居振る舞いが一層引き立っている。彼は自信に満ちた姿勢で立ち、まるで王族のように高貴な雰囲気を漂わせてる。


「誰だお前?なんで俺の名前を知っているんだ?」


  俺は疑念と警戒心を隠さずに尋ねた。目の前の魔族はこちらを見ながら言った。


「私はこの城の主人に支えるフィンです。ハルトさんようこそ魔界へ」


 そう言いながらフィンは一礼し続けて言う。


「この城は魔界としての要塞でございます。魔界は、私たち魔族が住む場所でございます。魔族として生まれた者たちは、外部の異種族に対する強い憎悪と敵意を抱いており、それは異種族からの攻撃や苦しい経験によるものでございます。我々は自身を守り、復讐を果たすべく、強大な力を必要としておりました。ハルトさん、あなたもまたこの魔族としての新たな力を手になさったのです」


 俺はフィンの言葉で自分が魔族になったことを再認識した。


「ハルトさん、この魔界には魔族たちが新たな力を見出し、訓練するための場所が数多く存在します。あなたはその場所を巡り、新たなスキルや力を習得し、より強力な魔族として成長していくべきでしょう。私もまた、あなたの成長をサポートし、必要な知識や指導を提供いたします。古の魔王の息子であるあなたに不可能はないでしょう」


 俺はフィンの言葉を聞き、この新たな世界での冒険が始まることに胸を躍らせていた。俺は力強い決意を胸に、魔界内の訓練場や遺跡を巡る冒険に挑む......

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