第2歩 悪魔

 Kさんは家にあるオカルト本で知った魔法陣に興味があった。


小学校の授業中、勉強そっちのけでノートに魔法陣を書いて遊んでいた。


それは【悪魔召喚】の魔法陣だった。


とりわけ魔法陣は遊びであって威力があるとか

魔法が使えると本気で思っていたわけではなかった。

記憶をたどり少しずつ書き進んでいると、ふいに教室が暗くなった。

 

顔をあげると窓の外が真っ黒い雲で覆われ強風と雨が降っている。

『おー、ムードあるじゃん』とKさんは思いました。

気にせず魔法陣に集中していると雷が鳴り出した。


激しい稲光がピカンッ!!雷鳴がドカン!!ゴロゴロゴロ・・・

ドガーンッ!!

教室全体が揺れるように感じました。

「キャーッ!!」

ものすごい雷鳴と突風で教室に悲鳴が上がりました。


先生は落ち着いた対応を装いました。

「ハーイみんな落ち着いて教室の中までは雷入ってこないから!」

ざわざわと同級生たちの私語は少し減りました。


 その後もKさんは、なぜだか手を止めることができずに机にかぶりついていました。


魔法陣は書き進み完成に近づいてきました。


そして仕上げに呪文を書き込んだ途端


ものすごい轟音がして教室の横にあった階段、踊り場上部の窓ガラスが粉々に割れて吹き飛び、教室はパニック状態、騒然となりました。

―ドッ!バンッ!ガガシャーン!

「キャーッ!」

「みんな席に着いてろ!」

先生が教室から飛び出して対処に追われました。


 昔を振り返りKさんは

「偶然なんだ、偶然」と私に言いました。


その後の日々の不運や不幸、事故、忌事も取材しましたが割愛します。


「冗談でも悪魔なんか呼ぶもんじゃないな・・・」

 

随分、昔の出来事なのにKさんは苦い顔をしていて

まだ何かに怯えているように私には感じました。

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