第142話 閑話 翡翠とスマホ
「とりあえず、嫁トークルームとか作るとします」
嫁筆頭のミサゴさんが号令をかける。
「そんな訳で、コレどうぞ」
掲げられたスマホには、リンク共有用のQRコードが表示されていた。
順番にお互いのスマホのカメラを翳して、リンクをたどる。
翡翠嫁会議場と言うトークルームが出来上がって居た。
1・ミサゴ
2・ハチクマ
3・ヤタ
4・ツブリ
5・スズメ
6・ツグミ
7・きよら
8・琴理
9・彩羽
10・加奈子
11・夜空
12・ツバメ
嫁一同の名前が並ぶ。
「番号は純粋に申し込み順的なアレです、他意は無いです」
ミサゴさんがあっけらかんと言う。そんな事言っても、私等は未だ部外者枠なので、上位陣には逆らえないと思うのだ。
「何か有っても無くても、適当に話しておいてください。今日は誰が独占とかのスケジュールとか、本日の翡翠さんとか、いろいろお話する事は有る筈なので」
「今日の朝チュンとか、若干寝取られを感じるかもしれませんけど要りますか?」
「要ります! 絶対的に!」
内心脳破壊されて、血涙を流しつつだが、欲しいのだ。
「ところで、翡翠さんのアドレスは?」
気に成ったので聞いてみる、皆の目がギョッと動く。
「そういえば持って無いですし?」
翡翠さんがあっけらかんと手を上げてひらひらさせる、そういえばそうだな~と言う、軽い感じだった。
「今後の収入とか、色々決まってからですかね?」
気にした様子も無く、説明される、ソレはそうだが、収入とか無かったのだろうか?
「どういうキャラです? デジタル音痴?」
サイバーネイティブな平民である私達は若干うろたえた、宇宙人的な理屈だったりする。
「虐待とかじゃなく?」
人間に必要なインフラと言う奴だと思うのだ。一人一台、操作時間は一日10時間とか平気だと思うのだが。
そんなのが当然なので、持って無いとか想定外なのだ。
「そんな訳でも無いな?」
小声でひそひそしていた所で、呆れ気味の調子でツッコミを入れられた。
「ケータイ中毒って訳でも無いし、女の子にサービスしてるだけで、結構忙しいですし?」
翡翠さんが補足説明を入れる、確かに、一般男性があんな事をしていた場合、気苦労とか、実質性的虐待とかで、ぼろぼろで動けなく成って居てもしょうがない?
いや?
本当に?
翡翠さんの一連の行動を思い出して、思わず首を傾げる、結構楽しんでいた気がする。
同時に、男性虐待の現場の様な気もするが。
でもコレを言ってしまうと私達も同罪で、社会的に死んでしまう可能性も出てきてしまうのだが。
「基本的に旅館に居るんで、誰か一人捕まえれば芋づる式に捕まえられると思われますよ?」
いや、そんな問題だろうか?
思わず、皆揃って声も出さずにツッコミを入れていた。
翡翠視点
「実際の所は?」
ヤタちゃんが聞いて来る。
「向こうの男の子なので、スマホもPCも、基本的にエロスか、お金か、その代わりを手に入れるためのモノなので、こっちの世界ではそんなの弄るまでも無く、実物のエロスが勝手に流れて来ると成ったら、スマホも何も要らなく成っちゃったと」
「そりゃあそうなるわな」
ヤタちゃんが納得した様子で頷いて、二人で苦笑を浮かべたりした。
百聞は一見に如かずで、百見は一戦に如かずと言う事で、結局現実に敵わなかった。
何とも身も蓋も無い話だった。
「多分、スマホ買った場合、ハメ撮りばっかで埋まりそうですね?」
「お主の記憶に残るなら万々歳じゃろうな?」
後日、彩羽視点
ヤタ「うぇ~い、定時連絡、みてる~?」
そんな掛け声と共に、朝一で事後報告な寝顔とか、ハーレム混浴写真とかがグループに流れて来る様になった。
寝取られ感で脳を破壊されて鬱濡れしつつ、色々捗った。
だが、やはり遠距離は辛いので、フルリモート化申請して、引っ越すか……
もしくはコレの為だけに転職して引っ越しても許される気がする。
そんな事を上司との飲みでぶちまけたら、鳥小屋の近所な系列旅館を会社指定の保養所に、さらに本店を社員旅行先に毎年固定された、そこまでするのか……
そんな訳でやめる訳にも行かなくなったので、辞めずにリモートで引っ越す方向で行くとしよう。
更に後日、その指定保養所と社員旅行先の関係で欲望にギラギラした新入社員が異様に増えたのは、多分笑い話だと思う。
追申
上司「ん? いや、ここの保養所は元からだった気もするな?」
上層部「それだけで次の新卒とか、より取り見取りに増えそうだから、やっちまおう。一般公開前情報ならインサイダー情報みたいなもんで、勝確ってヤツだし、コレ系、社員保養地とか整備しておくと税金優遇取れるし、更に言うとおこぼれ有るかもだし」
さらに上「あ、古巣」
そんなのが画面外で有ったり無かったり。
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