第3話 娘

男は官邸で守衛をしている。

妹のつてで、ようやく得た職であった。

数年前、結婚し娘をもうけた。

今日は、その娘の一歳の誕生日である。

贈り物を用意しようとする男に、妻は言った。

物心がついてからでいいよ。

そのとおりだ。

裕福ではないのだ。

将来のために備えた方が良い。

だが、我慢が効かなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る