第2話 橘 晴樹

俺は橘晴樹。

今週末にバスケの練習試合がある。


(応援に来てくれるような奴...いない..あ、そういえば萌のやつスポーツ大好きだったよな。誘ってみるか~...。)


「ちょっと、3年生の教室行ってくるわ~。」


「萌先輩のとこか~!!」

「本当、萌先輩の事好きだよなぁ。」


「ち、違ぇ。今週末のバスケの練習試合の事。応援来てくれないか聞いてくるだけだ!」


(なんなんだ?萌はただの幼馴染だしなぁ。)


「キャッ」


「わりぃ。...って萌じゃん。」


「は、晴樹。なんで3年生の教室の前に?」


「いや、ちょっと萌に用事があって...。でも、次、移動教室なんだろ?また後で来るわ。」


萌、なんか顔赤くなかったか?

熱でもあるのか?


昼休みにでもまた萌のとこ行くか~。


俺のこの"用事"が


俺と萌の関係を狂わせる事になるのは

この時はまだ 知らなかった。

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