第33話 お金持ちの散在――武具の更新――

足を買った後は武装を買いましょう。


普通ならエリーの武具屋なんだけど、今回はどざぁるちゃんの所へ行くことにしたよ。レングスだね。カザリンもぴょん子も連れてみんなで行こう。4人乗りドローンでびゅーん。

まずはヘックスで一旦降りてヘックスの造船所へ。大体のところで門前払いされたけど作ってくれる造船所で無人戦艦を5艦発注。一つ2000億ドルエン位するんで1兆ドルエンですかね。支払いも後でいいということなので良かった良かった。印税貰ったらすぐ支払うね。

帰りはどこの造船所も、ウチは良い奴あるぜーと絡んできてうざかったけど、門前払いにしたおめーらが悪い。


艦隊整備を無事に終えたらレングスへ。どざぁるちゃんには事前連絡しておいたのですぐに出会えた。場所はもちろん例のカフェ。


「お久しぶりだにゃあ。本当にウチでいいのかにゃ」


手を振りながら挨拶する猫。この2足歩行猫こそどざぁるちゃんだ。


「どざぁるちゃんなら良いの作れるし、ネタもばらさないでしょ。エリーの所はぜったいネタをばらすからな」


「ま、それには自信があるにゃ。お客様の情報は絶対ばらさないにゃ」


詳細はどざぁるちゃんの仕事場でということで退店し仕事場へ。

いんやー物が溢れていて汚ねー。汚部屋とは言わないけど。これ全部仕事で使ってるからね。


「事前に聞いていたとおり、マジカルスーツは作れるんだよね。それにこの金属を混ぜ込んでほしいんだよね」


といって夏芽をうにょうにょと指輪から展開させる。普通は私の手の形をして指輪の形状で小さくなってるんだよね。


「ぎゃー! にゃんだにゃこれ!」


「液体金属生命体だよーん。液体にもなるし、糸状にもなるし、ペンキみたく塗ることも出来る」


「ちょちょちょ、ちょっと何が出来るか調べさせてほしいにゃ。時間くださいにゃ」


んじゃあということで夏芽に体積20リットルくらいになって貰ってそれを切り取り、分析して貰うことにした。まあビビってたね。いくらでも大きくなっていくらでも切り取れて、切り取ったら切り取った奴に自我が芽生えるんだもんね。


防具をお願いしたのでARチップを購入する。本当どざぁるちゃんのお店は素敵なお洋服が多い。特に連絡も無くアキちゃんが来たのでお店にいる子が凄い騒いでた。

まあ私は顔バレあんまりしてませんからね、驚かれないよね。なんか寂しいね。女の子にはキャーキャー言われたいよね。

と思ってたら、


「あの、もしかして榊雪菜さんですか? アキちゃんの隣にいるってことは」


「あ、わかりますぅ? そうでーす、榊雪菜ちゃんでーす」


「TSS一の金持ちにして世界3位の資産家……そ、尊敬してます」


「アッハイ」


尊敬と恐怖で見られる私。


全然嬉しくねーぞこれ。どうなってんだこれ。アキちゃん最高、私恐ろしい。もうライドしねーちくしょーライドしねー。


気を取り直してARチップを物色。最新の衣装はふりふり魔法少女がコンセプトらしい。試着してみるか。


「所々水色が差し色に入ってるベストに金色のナポレオンボタン。水色と金色のスカートに金色の前垂れ。大きな赤いベルトにポーチ接続部分が複数。これアキちゃんだな……175センチメートルで非アイドルの私が着る衣装ではない」


でもなんか欲しいなあということで、前が開いた茶色のベリーロングコートに赤いベルトを刺してマジカルポーチもくくりつけて、白いインナーに黒のハーフポンチョを重ねたパンクガンナーっぽい衣装に変更。


胸が白くて折り返しがあるようにカットされてるのでのでGカップが映えるね。ふふふ、GだぞG。お洋服購入のために測ったら増えてた。ふふふ。

体重増減ある世界だからね。

重すぎてなにもないと戦闘の時邪魔なんだけどね。そういう意味ではぺったんこの方が……でもないのも……ゆうて使いどころが無い……。

ちなみに「おっぱいが揺れない」というまんまのスキルがあるんだよね。これは特別にレベルがカップ数値で表現されているのでGまで取得したよ。Zまで一応あるんだよね。冒険者の館でスキルブックが配布されてまーす。

あれ、Gってぴょん子と同じサイズになるんだっけ? ちがったぴょん子はKカップだ。デカすぎだろ……。


お洋服に戻ると、わたくしの綺麗なおみ足も映えるね、ふふふ。これでアキちゃんにも勝てる。ふふふ。

ま、こんな感じでしょう。お買い上げー。アキちゃんの衣装は私が着たあれを買っちゃった。マジカルメイドアイドルって感じで良くない?

防具の一種になるエキストラARで勝ったのでかなりのお値段がしたんだけど気にしなーい。防具くらいなら後100着は買えるね。


どざぁるちゃんに挨拶を言って別れ、本命のキアちゃんのところへ。武器が出来上がったって連絡が来たのだ!!!!


「キッアちゃーん。来たよー」


「こんにちは雪菜さん。出来ましたよ最高の武器が」


「どんな感じなの?」


「まず全体はアサルトカービン銃並に巨大化させました。魔力で壊れちゃいそうなので厚みを増やさないといけなかったので」


なるほど。壊れちゃしょうがないもんね。大きくしたのは銃剣の部分も必要だしね。


「まず、金属さんありきです。指輪をこの穴にはめ込むと金属さんが流れ込みます。銃剣は回路を通して即座に雪菜さん本体の金属さんから出現するようにしました。これで銃弾との干渉を避けつつ一気に詰めた詰められたときに対応できると思います。銃弾は12ミリの大口径専用銃弾。発射するのは金属さんが専用銃弾の形状になれると言うことなので、金属さんそのものにしました。雪菜さんの魔力で押し出す方式です」


なるほどなるほど。今ならスキルいっぱい買えるし反動制御とか取っておこうかな。


「金属さんを生成しながら連射させるのでレシーバーで速度を選択することが出来ます。連射速度が足りない場合は10ミリ専用銃弾や8ミリライフル弾まで落とせるので金属さんにお願いしてくださいね」


多分指輪と結合してれば夏芽の増殖が間に合わないことはないんじゃないかなー。


「魔力で押し出すのでバレルの一番底に魔法陣を3重に重ねて描いてあります。これによってマジカルキャノンなどの魔法をこの銃から撃てますからね。銃剣から形を杭に変換してパイルパンカーも出来ますんで、これで世界が壊れることも無いと思います」


「そこまで考えてくれるなんて。この銃ならどんな敵にも勝てるよ、作ってくれてありがとう」


「いえいえ。おじいちゃんの遺作を超えたとは思います。金属さんのおかげですけどね」


「デキアルはハンドガンが好きだったけど、キアちゃんはサブマシンガンが好きだよねー、今回はアサルトカービンを選んだけどさ。デキアルの単発威力は超えられるかなあ。夏芽がいるから大口径銃弾撃つし超えてるかな?」


「超えてると思います。金属さんには本当感謝です。殆どが金属さんで構成しましたよ、質量をコントロールできるというので。今までで一番デカい銃の割に今までで一番軽いでしょう? 温度変化にも抜群に強い。これが液体金属生命体なんですね」


キアちゃんからありがたく「キアスペシャル」をもらい受ける。

あとはどざぁるちゃんか。

当分かかるだろうからアルダス村でも行くか。


久しぶりにアルダス村へ。やるのは開拓作業。

私たちは機械、アキちゃんは魔法。開拓に使う魔法は慣れたようでガンガン土を掘り起こし木を伐採していく。やっぱ最強存在だよアキちゃん。


頑張って開拓した後は美味しいご飯!

やっぱアルダス村に来たら美味しいご飯だよね!


本日は豚汁に野菜炒め、鶏肉の味噌ステーキにほかほかご飯!

豚汁は味噌の味がしみていて美味しい。身体に浸みる。

野菜は取れたてでシャキシャキ。キャベツとピーマン系統のTSS野菜かな。美味しー。おかわりしてしまった。

鶏肉の味噌ステーキは絞め立てで新鮮。肉汁ぶわりで口に含めば味噌の香りが吹き渡る。

ご飯は粒が立っていてもぐもぐ食べちゃう。こんな美味しいご飯なかなか食べられないね。


「アルダスさん、小麦の収穫はどんな調子なの?」


「ああ、調子良いぜ。これで今年も良い収入が得られそうだ。小麦の生産が調子よくなってきているし、そろそろ酪農をしようかと思ってるぜ、ガハハ」


おおー酪農もするのか。10年後には大きな村になってそうだ。


ぴろんぴろん


おや、ドスコードに連絡が来たようだ。なんだろ。


――ドスコード――


ディンゴ

今年の印税を納めに来たぜ。

新刊効果もあって6兆3千億ドルエンだ。おめーは世界一の金持ちだな


雪菜

今年は全卸し店に5冊卸すから来年も楽しみだわ。いつもの口座によろしくねー


――ドスコード――


さすがディンゴ、行動が早い。この後オットーさんから半分くらい貰うから艦船のお金は十分手に入りそうだな。


さーて、お金入るまで少しのんびり開拓しよっと。

美味しいご飯のためじゃないよ、ホントウダヨ。

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